感想・レビュー
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Cell 44
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「でもねユダ 君が死なねばならぬならならぬ重さが鎖骨に痛い」「いつか訪う星の伝言板にもあらん『下ノ 畑ニ 居リマス 賢治』」「君の掌に北半球を滅しうるボタンぬくむとも君は恋しき」「ウォルフガングうれしいときと悲しいときと涙の成分はちがいますか」「人知れず無花果割れる淋しさにぼくと言うとき主語とはなにか」面白かった。賢治やモーツァルト、天体、歌への憧憬と、孤立感や無力感などが交じり合う。最後に「歌えど歌は遠ざかるのみ」ともあるが、はるかな物への憧憬だけで成り立っている歌ではなく、歌う自身への視線がある。2015/11/14
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