インド仏教変移論―なぜ仏教は多様化したのか

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  • サイズ A5判/ページ数 418p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784804305455
  • NDC分類 181.02
  • Cコード C3015

内容説明

初期阿含仏教から後期密教まで、仏教はなぜこれほどまでに多様化したのか?全く異なる教えを説く教団が、お互いを仏教徒であると認め合えるのはなぜなのか?謎を解く鍵は、アショーカ王の時代に起こったひとつの事件にある。この事件は、大乗仏教の発生という巨大な現象を生みだし、仏教を根幹から変えてしまった。本書では、この事件の実態を追求し、仏教変容の根本原因を解明している。

目次

第1章 研究方法
第2章 アショーカ王の分裂法勅
第3章 破僧定義の転換
第4章 『摩訶僧祇律』の構造
第5章 和合布薩と2種の破僧
第6章 仮説の提示
第7章 Dipavamsa
第8章 『阿毘達磨大毘婆沙論』と『舎利弗問経』

著者等紹介

佐々木閑[ササキシズカ]
1956年福井県に生まれる。’79年京都大学工学部卒業。’82年京都大学文学部卒業。’87年京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。’88年米国カリフォルニア大学バークレー校仏教学科に留学。’90年花園大学専任講師。現在、花園大学助教授、博士(文学、仏教大学)。著書に「出家とはなにか」
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ryohjin

10
紀元前のアショーカ王の碑文に示された事件を端緒に大乗仏教以前の古代インドの仏教教団のあり方の一面を明らかにしていきます。学術書として史料をもとに、詳細緻密な論証が展開されており、置いていかれないように頭をフル回転させてなんとか読み通すことができました。この著者の一般向けの本は明解で分かりやすかったのですが、本書でもそこは変わらず、推理小説を読むようなスリリングな面白さを感じ、仏教が多様化に向かっていく原点を自分なりに理解することができました。2022/11/12

隠居

1
学術書なのに、一級のミステリーだった。2018/02/20

Naoki Okada

0
仏教の(文系の)学術書なんですが、私のような理系人間や、推理好きにも向いているかも。 「なぜ仏教はこのように多様化したのか」という命題に対して、帰納⇒仮説⇒演繹⇒予想⇒検証⇒仮説の補強⇒再予想⇒検証・・・ という科学的?なサイクルがきっちり回されてますし、そこからの結論付けが「検証できたものに留める」という抑制が効いていて、すっきり感があるんです。もちろん対象は物質や物理現象ではなく、様々な仏典なのですが・・2019/06/15

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