出版社内容情報
2024年5月28日に国連が発表した調査報告書には、アニメーションの制作現場がアニメーターの低賃金、過度な長期労働、不公正な請負関係、クリエーターの知的財産権が守られない契約などを指摘し、「搾取されやすい環境がつくり出されている」と結論付けた。
そのブラックな環境で働いてきたアニメーターが、現場では何が起こっているのか? どんな環境なのか? そのすべてを漫画に! 超絶ブラックな職場を描く、職業エッセイ。
CONTENTS
第1話 月給1万2千円のお仕事
第2話 恐怖のフリーランス集団
第3話 資料とゴミは紙一重
第4話 激務の果ては…!?
第5話 足の引っ張りあい
第6話 天国と呼ばれる仕事
第7話 こだわりの職人
第8話 忘年会格差
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
富士さん
4
黙過されがちな、感情的で侮辱的な職場いじめや職位差別についてはっきりと描かれているのが重要だと思いました。同じようなエピソードに触れているのは、石田敦子さんの業界マンガくらいだったと思います。アニメ制作は集団就労を原則とするもので、集団の宿痾も共有しているはずです。しかし、アーティストの自己表現がアニメだと考える場合は、いじめや差別は売れない時代の個人的な逆境という説明に還元されてしまいます。アニメ制作が普通の仕事として評価されるには、このような問題も積極的に注目して行かなければならないように思います。2025/07/31