内容説明
日夏耿之介、矢野目源一、城左門―傳説の文藝誌『奢〓(ば)都』の三詩人が手掛けた、錯綜美極める飜譯詩集五冊をここに集大成。空前絶後の佛蘭西名譯詩集。
目次
戀人へおくる(矢野目源一)
ヴィヨン詩抄(城左門・矢野目源一)
夜のガスパァル(城左門)
古希臘風俗鑑(矢野目源一)
巴里幻想集(日夏耿之介)
著者等紹介
日夏耿之介[ヒナツコウノスケ]
1890‐1971。詩人、英文學者。長野縣生まれ。本名・樋口圀登。早稻田大學英文科卒。キーツのオード研究『美の司祭』で文學博士號を受けた
矢野目源一[ヤノメゲンイチ]
1896‐1970。詩人、隨筆家。東京生まれ。慶應大学佛文科卒。はじめ詩人として活躍。戰後は軟文學に轉じ、艶笑コントなどで活躍した。また、レミ・ド・グールモン、ジョゼフ・デルテイユ、アポリネール等の短篇の翻譯もある
城左門[ジョウサモン]
1904‐1976。詩人、小説家。東京生まれ。本名は稻並昌幸。京華中學中退。「文藝汎論」を創刊し、その後、岩谷書店編集長、宝石社長を経た。城昌幸の名義で、「若さま侍捕物手帖」をはじめとした時代小説や、怪奇幻想小説を多數残している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
85
やっと、「夜のガスパール」が読めましたし、マルセル・シュオッヴが古代希臘をテーマにした詩を書いていた事も初めて知りました。翻訳を担当している方も幻想小説と翻訳詩の大家じゃないですか。典雅で時々、ちゃきちゃきな古文体で綴られる詩は読んでいて愉しい。久しぶりに「とんとんからり、とんからり」、「退屈千万」、「生者必滅、世の習い」なんて言葉に触れました^^官能的なこともおおらかな表現で書かれているのは、万葉集の国、日本なれではなのかしら。2017/08/06
兎乃
7
この本を800円で売った古本屋は阿呆であると思う、そして私の勝ちだとニンマリする。収録は矢野目源一「戀人へおくる」「古希臘風俗鑑」、矢野目源一&城左門「ヴィヨン詩抄」、城左門 「夜のガスパァル」、日夏耿之介「巴里幻想集」。すべて名訳としてよく知られた物ばかり。目玉は矢野目源一と城左門(昌幸)の翻訳。特に「ヴィヨン詩抄」は他にテキストがないので価値あり。マルセル・シュオブ「古希臘風俗鑑」も単行本復刻はお初。「黄金仮面の王」も欲しい。2012/05/06