内容説明
ある晩秋の小春日和の日にナミ成虫が自宅へ集団して飛来する姿を目撃した。数百の成虫を捕えて調べると、翅の紋様は変化に富んでいた。びっくりして、「何故だ」と自問自答した。そして、ナミの斑紋型がつくられる仕組みに強い興味を持つようになった。観察日記の始まりだ。
目次
1章 “聖母マリア”の虫、ナミテントウは謎に満ちている
2章 ナミテントウが自宅に飛んできた
3章 ナミテントウの驚異的な産卵能力にびっくりする
4章 ナミテントウの翅の多種多様な紋様はどのようにつくられるのか
5章 ナミテントウの繁殖現場を探索する
6章 ナミテントウの春の繁殖地は街路樹トウカエデである
7章 ナミの社会は一妻多夫制であるのか
8章 ナミテントウの成虫斑紋型多型の解析法を検討する
9章 ナミの野外卵塊群の遺伝分析から成虫斑紋遺伝子型頻度を探る
10章 ナミテントウの個体群動態はどのように形成、維持されるのか
11章 ナミテントウの色彩多型はどのように形成、維持されるのか
付録
著者等紹介
木村滋[キムラシゲル]
1966年東京教育大学(現筑波大学)農学研究科修士課程修了。同年農林省蚕糸試験場(蚕糸・昆虫農業技術研究所)入所。主として昆虫ホルモンの作用機構の研究に従事。その後、農林省農林水産技術会議事務局研究調査官、研究開発官、蚕糸・昆虫農業技術研究所遺伝育種部長、企画連絡室長、所長。退職後、(社)農林水産技術情報協会技術参与などを経て、一般財団法人総合科学研究機構研究員。農学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。