出版社内容情報
寺田寅彦のエッセイの中から科学に関する35篇を集め、科学者・池内了による解説を加えたエッセイ集。
「今、なぜ寺田寅彦か」と問えば、
文化としての科学の原点を取り戻したい、
同時に科学はどのような方向へ進むべきかの指針が欲しい、
そんな気持ちが誰にもあるからではないかと思う。
大震災と原発事故を経験して、科学は本当に人間を幸福にしたのかと問いかけながら、
しかし科学と縁を切って生きることもできない。
もう一度、現代の科学を見直すためには寺田寅彦は格好の道標なのである。
(池内 了)
※本書は、『椿の花に宇宙を見る』(夏目書房、1998年刊行)における寺田寅彦のエッセイに、新たにまえがき、解説を加えたものです。
まえがき―今、なぜ寺田寅彦か
序 窮理日記
1章 事物の観察
2章 日常現象
3章 生物世界
4章 地球物理学
寺田寅彦・年譜
【著者紹介】
総合研究大学院大学理事・教授。天文学者、宇宙物理学者。1944年、兵庫県生まれ。京都大学理学部卒業、同大学院理学研究科博士課程修了。北海道大学助教授、国立天文台教授、大阪大学教授、名古屋大学大学院教授、早稲田大学特任教授を経て現職。専攻の宇宙物理学では「泡宇宙論」の業績を挙げる。文系と理系の分裂を嘆き、「新しい博物学」を提唱。大佛次郎賞、講談社科学出版賞の選考委員も務める。著作に『中原中也とアインシュタイン』(祥伝社黄金文庫)、池内了責任編集『寺田寅彦』(河出書房新社)、『生きのびるための科学』(晶文社)がある。
内容説明
線香花火/金米糖/身長と寿命/音の世界/透明人間/自然界の縞模様/蓑虫と蜘蛛/蜂が団子をこしらえる話/鳶と油揚/夕凪と夕風/地震雑感/神話と地球物理学…全35篇をわかりやすい解説と共に。
目次
1章 事物の観察(茶碗の湯;塵埃と光;花火 ほか)
2章 日常現象(電車の混雑について;こわいものの征服;人魂の一つの場合 ほか)
3章 生物世界(藤の実;沓掛より・草を覗く;思出草 ほか)
4章 地球物理学(凍雨と雨氷;瀬戸内海の潮と潮流;夏の小半日 ほか)
感想・レビュー
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