内容説明
千利休は生き延びていた。秀吉との対立、そして賜死。これまで語られてきた物語は虚構だった―。気鋭の研究者が新史料を読み解き、本当の利久像を明らかにする!
目次
第1章 利休追放(秀吉の置かれた状況;二月十三日夜 ほか)
第2章 大徳寺山門の木像事件(金毛閣;「利休居士伝書」 ほか)
第3章 秀吉と利休(朝顔の茶会;イベント茶会 ほか)
第4章 奥羽一揆(関東惣無事令;奥州遠征 ほか)
第5章 秀長の死(石田光成の思惑;秀吉の家臣団 ほか)
第6章 天正十九年の京(秀吉の朝鮮出兵政策の影響;家康の様子 ほか)
第7章 二月二十八日(歓修寺晴豊の日記(二月二十五日~二十九日)
西洞院時慶の日記(二月十五日~二十九日) ほか)
第8章 細川三斎(三斎の謎の発現;「千利休由緒書」 ほか)
終章 利休生存(幻の上杉警護隊;利休遺偈の問題 ほか)
著者等紹介
中村修也[ナカムラシュウヤ]
1959年生まれ。和歌山県出身。筑波大学大学院歴史・人類学研究科博士課程単位取得修了。文教大学教育学部教授、博士(文学)。専門は茶の湯文化史と東アジア交流史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kawa
4
小説と思いきや、当時の書物などから利休切腹に関する新説を論じている。歴史発見的内容でこれはこれで興味深く読めた。2015/07/25
MICKE
4
これは日本文化史上の重大事件だ、2015/04/29
m_syo
3
通説に囚われず、資料調査から、利休切腹の理由や真偽を探る。なかなか面白かった。2015/05/09
shin1ro
2
「利休が切腹したのは京か堺か」と云ふ疑問から始まった研究の焦点は、早々に「そもそも利休は本当に切腹したのか」へ。著者は再三「結果(史実)を前提に、過程の史料を解釈することの危険性」に触れていますが、これは「『巨匠』のイメージ(先入観)で若き日のベートーヴェンの作品を演奏することの危うさ」を訴える若きピアニスト、M.シュタットフェルト氏の主張と相通ずるものを感じます。切腹の有無を論じるくらいですから、「実は切腹なんかしなかったんぢゃね⁈」との流れなのですが、さて真相が明らかになる日はくるのでせうか⁈2018/07/05
Mc6ρ助
2
事実は小説より奇なり。って、実証出来ないから、傍証を積み上げているんでしょうが、いっそ小説にしてもらった方が読みやすい、と思ってしまう。秀吉との芸術的な相克という従来説よりは地味にすぎるとしても。2015/08/19
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