出版社内容情報
自衛隊内の犯罪の捜査および被疑者の逮捕を行なう部署である中央警務隊。隊長・大曽根より、突然の命を受けた甲斐和美三等陸尉は、富士駐屯地に向かい、第百二十八地区警務隊の捜査に協力することになった。それは単なる自殺と思われた事件だったが、内部からの告発により、殺人の可能性があるという……。完全密室である七四式戦車(ナナヨン)の車内で見つかった遺体。自殺したと思われる人間の執務席の内線電話機から、自殺ではなく殺人との内部告発。甲斐和美は富士駐屯地に急行し、自衛隊組織の暗部に迫っていく――。元自衛官&『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作家が描く、ミリタリー捜査サスペンス!
内容説明
完全密室の七四式戦車内で、死体が見つかった―自衛隊内の警察組織である警務隊に所属する、女性自衛官・甲斐和美三等陸尉。突然の命令を受けた彼女は、事件の起きた富士駐屯地に急行する。圧倒的リアリティで読ませる、ミリタリー捜査サスペンス!
著者等紹介
神家正成[カミヤマサナリ]
1969年生まれ。愛知県春日井市出身。陸上自衛隊で勤務後、現在は海外営業の会社員。第13回『このミステリーがすごい!』大賞・優秀賞を受賞し、2015年に『深山の桜』(宝島社)にてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
72
七四式戦車内で自殺したとされる一等陸佐。自殺かどうか、その調査を命じられた・甲斐和美三等陸尉の成長もの。礼三郎さん、ナイスキャラ!みなさんのレビューで思い出しました、深山の桜のあの人か。2017/02/14
あじ
56
自衛隊が所有する戦車の中で遺体が見つかった。当初、自殺と見られていたが、密告があり他殺の線が浮かんでくる──。自衛隊に所属していた過去を持つ作者の、ただならぬ熱の入れように、気長に付き合う羽目になった。はっきりいって150ページ強が無駄に長いと、私の感覚は言っている。ラストの見せ場で急に月村了衛ぽくなり苦笑い。だったら中だるみを絞って、テンポを調整しなければ。知識の開示はほどほどに、「あぶ刑事」ファンであることは、よく分かりました(嬉しかったりする)。2016/12/17
TATA
32
元自衛隊員の作者さん。内情や予備情報をこれでもかと突っ込んでくるあたりはさすが。隊員の自殺偽装のミステリーですが、中身は有川さんの作品と比べると硬派な印象。読後感はスッキリですが、前半が冗長気味で少し読みにくく感じました。2017/01/21
み
29
出張の移動中に一気読みとはいえ、途中までは惰性で読んでたかも^^;終盤から、派手な展開に♪同期って不思議な関係よね、一般の民間企業のあたしでさえ特別な感じを持ってるもんね、訓練とか一緒に受ける彼らは、もっと凄いんでしようね。オネエ言葉の上司を主役で書いて欲しいような。2018/02/10
衛兵
26
駐屯地行事の見学に行こうと思っていたのでチョイスした一冊。まさか戦車を殺人事件の密室トリックに使うとは、意外な着眼点に驚愕した。この作品の前作にあたる「深山の桜」も読んでみたい。 2019/06/29