内容説明
2010年代の京都でトレンドとなった「カフェ型事業」の成果と課題を振り返る。京都市では、2000年代末から2010年代にかけて、市民誰もが気軽に参加できる交流の場「カフェ型事業」を推進する政策が講じられてきた。一方で、この先駆的な政策手法が何を目指し、どこに到達したのか、ということに関する研究は、未だ十分蓄積できていない。本書は、実際に本政策の現場に携わった市民活動団体メンバー、自治体担当者、社会学者らが深く語り合い、その10年以上にわたる取り組みから明らかとなった成果と課題を振り返る。市民参加型まちづくりの新たなスタートを志向したシンポジウムの実録!
目次
1 開会挨拶
2 基調講演
3 京都市未来まちづくり一〇〇人委員会の事例報告
4 みんなでつくる左京朝カフェの事例報告
5 中京マチビトCaf´eの事例報告
6 伏見をさかなにざっくばらんの事例報告
7 対話型市民参加の参加者と運営者双方の視点から
8 パネルディスカッション
9 フロアとのやり取り
10 パネラーの感想
11 まとめ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひつまぶし
2
当時京都市教育長だった門川大作があるイベントでオープンスペーステクノロジーという手法に感銘を受け、市長当選後に事業化したというきっかけに驚く。しかし、この手法は何にでも使えるというもんでもなさそうだし、市民に丸投げに近いものになってしまったように見える。事業としてやっていくためには思想性も必要だし、責任の所在や計画性、ノウハウを蓄積しておく必要もあるだろう。フロアとのやり取りの中に出ているように、こうした取り組みは日本社会における何らかの自治体の転換期を示していると見れば、教訓としては意味があるのかも。2025/03/19