内容説明
国際規範としての「持続可能性」の功罪―われわれはどう取り組むか?自然環境や動植物への配慮、途上国の貧困削減、雇用創出などを謳った「持続可能な開発」ないし「SDGs」は今日、国際機関や企業に広く共有された規範概念となっている。これらの言葉は私たちの日常生活にまでも溶け込みつつある一方、あまりに広範な概念であるがゆえに有名無実化しているきらいもある。「持続可能性」という概念の本質に立ち返り、現代社会による無批判な概念受容とその過度な合理化に警鐘を鳴らした一冊!
目次
第1章 グローバル・ナラティブとしての持続可能性(国連会議の歴史にみる「持続可能性」概念の展開;「持続可能な開発」の思想と拮抗する価値 ほか)
第2章 批判的言説分析―言葉の分析から社会の構造と力学を知る(言説分析とは何か;学術的文献にみる「持続可能性」概念の通時的変遷 ほか)
第3章 「持続可能性」概念と教育の接続―ネット上の言説が示すもの(持続可能性を教えるとはどういうことか;データと分析方法 ほか)
第4章 「サステナビリティ」と「経済」言説の接合をめぐって―新聞記事とCSRレポートの計量テキスト分析の試み(「サステナビリティ」と「経済」;新聞記事の分析から ほか)
第5章 企業ブランディングとしてのSDGs関連活動が消費者の認知と行動に及ぼす影響―社会心理学的な実証研究に向けて(企業の広報活動とSDGs;道徳意識の社会心理学的研究 ほか)
著者等紹介
山田肖子[ヤマダショウコ]
名古屋大学大学院国際開発研究科・教授。教育社会学、国際開発学。アフリカでのフィールドワークを通じた知識形成と知識の社会的意味についての研究を行う傍ら、国際開発にかかわるグローバルな言説分析を継続してきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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