内容説明
東日本大震災および福島第一原発事故から10年の節目を迎えた。この10年間、特に放射能汚染をめぐる問題が、地域の基幹産業である農業に甚大な被害を与え、福島の人々の生活を一変させてきた。本書は、放射能汚染問題のみならず、避難に伴う人や地域の分断など今日に至るまで継続・拡大する被害の実態を捉え直し、農の再建を目指す各地での取り組みを追う。事故の被害を風化させない「復興」の姿と責任の所在を問う、農業と人々の暮らしの「復権」に向けた重要な一冊。
目次
序章 農と暮らしの復権に向けた課題と展望
第1章 福島の営農再開支援のあるべき姿の小考察―福島の挑戦は日本の農業の未来をつくる
第2章 農地の汚染除去をめぐる司法判断―農業者は何を求めたのか
第3章 「ふるさとの喪失」への償いと地域再生を求めて
第4章 農と地域の連続性回復に向けた課題―避難指示境界部における兼業再業再開をめぐって
第5章 阿武隈の山の暮らしにおける経済的・文化的価値の損失と復権
終章 福島において農と暮らしを復権することはぜ必要なのか?
著者等紹介
藤川賢[フジカワケン]
明治学院大学社会学部教授、東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程満期退学
石井秀樹[イシイヒデキ]
福島大学食農学類准教授、東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程単位取得退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。