内容説明
裕福で無垢な白人娘イザベルとスラム育ちの黒人青年トリスタンは、おたがいを一目見た瞬間、恋に落ちた。だがイザベルの父親が二人の関係を認めるわけがない。追跡と恋の逃避行が始まる…。大都会と原始の姿が混在するブラジルを舞台に「トリスタンとイズー伝説」を現代に強烈に甦らせたピュアでエロティックな恋愛小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
flat
3
正反対の二人は肌の色の変化と共に其々の性質も変わる。二人は最後まで一緒に居ることは出来ず神話になることは出来ない。二人を遠ざけたのは対照の形が崩れたからなのかもしれないとも思う。2019/01/13
amanon
3
奔放な性愛とひたすら相手に尽くす純愛…矛盾する愛を一つの小説に注ぎ込んだ希有な一冊。それと当時にブラジルという資本主義に翻弄される危うい国家を舞台にすることで、二十世紀後半の世界の一断面を鋭く示したとも言えるか？ある意味ご都合主義とも言える展開に鼻白むする人もいるかもしれないが、これは物語ならではの面白さを追求したが故のものだとあえて肯定的に受け止めたい。三人の子供を失った後、三人の子供を得る（しかも父親は別）という展開も、ある種の神話性を思わせた。ただ、ある程度予想できたが、トリスタンの死は悲しかった。2013/10/29
Mark.jr
1
アップダイクが得意とするアメリカの都市生活から舞台が離れたからこそ、本来持っていたエロティックで生々しいイメージ溢れるものになっています。ハッピーエンドで終わらずその先を描くあたりが、いかにも現代の小説らしいです。2018/11/25
せんこーくーら
0
アップダイクの小説は澄ましたエロさがたまらん。2013/02/24
メルコ
0
独特なリズム。読み出すと一気に読み進むが、一旦やめると戻りづらい。 ブラジルの国土が匂いたってくるような濃密な描写、脇役に至るまで魅力的。 2012/01/12
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- 和書
- 楽園と廃墟
