内容説明
1939年の『経済人の終わり』以来すでに70年以上にわたり、ドラッカーが常に読まれ語られ続けているのはなぜか?無数の類書をはるかに超えて、社会と産業の文明論的転換に向け視野を全開してきたドラッカーの真髄を、「すでに起こった未来」への認識と捉え、その思想と生涯が我々に残した「警鐘」が孕む意味を具体的に追究した本書は、経済の混迷はじめ今日世界を覆う暗雲を通して、そこに出現している未来を見顕すことの重要性を強く示唆する。
目次
1 「すでに起こった未来」を認識せよ―「社会生態学者」ドラッカーの二つの「発明」
2 「マネジメント」はいかにして「発明」されたか―経営者権力の正統性と「マネジメントの発明」
3 「イノベーション」はいかにして「発明」されたか―「断絶の時代」の到来と「イノベーションの発明」
4 経営政策は常に陳腐化のおそれがある―ドラッカー『企業とは何か』はスローンの何を評価し、何を評価しなかったか
5 経営危機は「事業の定義」を疑え―企業はいかにして永続性を保つか
6 公的サービス機関のイノベーションをいかに進めるか―大学のイノベーションを求めて
7 イノベーション志向が「利己」の資本主義を超える―市場競争におけるフェアプレイのために
著者等紹介
坂本和一[サカモトカズイチ]
立命館大学名誉教授・立命館アジア太平洋大学名誉教授・経済学博士(1975年)。1939年石川県に生まれる。1963年3月京都大学経済学部卒業。1968年3月京都大学大学院経済学研究科博士課程単位取得。1968年4月立命館大学経済学部に奉職。この間、1979年7月ハーバード大学フェアバンク東アジア研究センターおよびニューヨーク大学経済学部で客員研究員(~1980年9月)。1988年4月立命館大学教学部長(~1991年3月)。1994年4月学校法人立命館副総長・立命館大学副学長。2000年1月学校法人立命館副総長・立命館アジア太平洋大学学長(~2004年3月)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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