内容説明
新自由主義的な競争が国際社会を跋扈する今日、教育は経済の生産性を高めるための道具と化し、学びは経済の奴隷状態に陥っている。教育と社会が個人化・市場化・他者化の流れにがんじがらめとなる中、新たな社会の創造に向けた思索と試みが待望される。「他人事≒自分事」という視点を突破口として今日にふさわしい教育改革のあり方を説き、その先にある私たちの新しい生き方・社会の可能性を切り拓く!
目次
「他人事≒自分事」のはじまり
1 ゆたかな学びの危機―新自由主義の教育改革を批判する(小さな政府と市場原理主義;新保守主義と首長の一元的支配;学校化する社会と学校選択制の導入 ほか)
2 「他人事≒自分事」を阻むもの―近代の正体をさぐる(一九六八年という問題―境界は超えられたのか?;近代とはいかなるものか?;後期近代あるいはハイモダニティとは? ほか)
3 「他人事≒自分事」で学びの構造を転換する(「世界の片隅」から「片隅の世界」へ―学びの再構築;「人間の限界性」―“できなさ・弱さ”דわからなさ”;「社会の限界性」―“いたらなさ・悪さ”דわからなさ” ほか)
つながりのためのむすび:光の射す方へ―私たちはどう生きるのか
著者等紹介
菊地栄治[キクチエイジ]
早稲田大学教育・総合科学学術院教授。専門は、教育社会学・教育経営学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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