内容説明
災害大国と揶揄されることもあるわが国において、これまでの凄惨な被災事例から迅速な「復興」のために何が必要かを学ぶことは、遺されたわれわれに向けられた重要な責務であろう。本書は、災害発生後の様々な復興課題への対応のために登場した複数の自発的組織―緊急コミュニティ組織―に着目し、3.11東日本大震災後の岩手・宮城の6地域で実施された綿密な経年調査をもとに、緊急コミュニティ組織の分業構造が課題対応に柔軟に機能していたことを明らかにする。今後の大規模災害を考える上でも重大な知見を与える、喫緊の社会的要請に応えた労作。
目次
第1章 問題の所在
第2章 災害復興と地域コミュニティ
第3章 復興定点調査:東日本大震災における復興課題の変容
第4章 緊急コミュニティ組織の実例:仙台市南蒲生地区における復興
第5章 緊急コミュニティ組織の一般化を巡る検討
第6章 結論と考察
付表 東日本大震災における緊急コミュニティ組織一覧(239組織)
著者等紹介
小林秀行[コバヤシヒデユキ]
1985年生まれ。東京大学大学院学際情報学府学際情報学専攻社会情報学コース博士課程修了。博士(東京大学・社会情報学)。専攻:災害社会学。現職:明治大学情報コミュニケーション学部専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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