出版社内容情報
単純な女子高生強姦未遂事件が、実は米国憲法の根底をゆるがす140年前の陰謀に結びついていた──大好評のライム・シリーズ。
内容説明
強姦未遂事件は、米国憲法成立の根底を揺るがす140年前の陰謀に結びついていた。そこにジェニーヴァの先祖である解放奴隷チャールズ・シングルトンが関与していたのだ…。“140年もの”の証拠物件を最先端の科学捜査技術を駆使して解明することができるのか?新鮮かつ強烈な刺激満載の好評シリーズ第6弾。
著者等紹介
ディーヴァー,ジェフリー[ディーヴァー,ジェフリー][Deaver,Jeffery]
1950年シカゴ生まれ。ミズーリ大学でジャーナリズムを専攻。雑誌記者、弁護士を経て40歳でフルタイムの小説家となる
池田真紀子[イケダマキコ]
1966年東京生まれ。上智大学法学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
修一朗
151
下巻の早い段階で犯人逮捕!となって,一瞬「えっこれで終わり?」と思ったのもつかの間,そこから200ページ,やっぱり2度3度のジェットコースターサスペンスは健在でした。ああよかった。いろんなミスリードの果てに最後に解放奴隷に戻る流れがとても良かった。せっかくのハイパフォーマンスの敵役だったのに,さらっと捕まってしまってちょっと残念。ライムの体に進展が見えてこの先も楽しみだ。面白かった!早速次作「ウォッチメーカー」を読みたくなるところだけども,まずは最新作「カッティング・エッジ」へ。2019/11/16
nobby
119
やっぱり下巻は一気読み。どんでん返しは少なめだが、敵か味方か二転三転する様子にヤられた感が満載。犯人を追い詰めるライム達の解析・追跡の勝利が続くものの、ジェニーヴァを狙う動機に何かスッキリしない状態が残る。この違和感をめぐる黒幕との駆け引きや罠の仕掛け合いの展開にもう夢中。それでもラストはなかなか涙誘うエピソード。人種差別・ハーレムなど史実でしか把握できず、現実味が薄く読めてしまうのは仕方がないとはいえ残念…2016/06/17
Tetchy
105
今までの作品で使われたどんでん返しや騙りの技法をどんどん放り込み、エンタテインメントに徹しながらも底流に強いメッセージが込められているのだから畏れ入る。最後に行き着くのはハーレムで苦難の人生を過ごしていた女子高生のシンデレラ・ストーリー、そしてアメリカの歴史で永く虐げられてきた黒人の不屈を讃える物語であったことだ。“努力は報われる”という熱いテーマを内包しているのが本書なのだ(そういう意味では文庫版下巻の表紙は象徴的だ)。最後のリンカーンのある変化も含め、希望に満ち溢れた余韻を残す。天晴、ディーヴァー!2012/02/26
セウテス
93
【リンカーン・ライムシリーズ】第6弾、下巻。犯人を割り出してから、逮捕シーンのサスペンスはシリーズの醍醐味そのまま。蓋を開けてみれば、ミスリードという仕掛けは、さすがに上手いと思うが今回は読み切った。しかし、ジェニーヴァを襲う動機にしっくりこない。二転三転の展開をした割には、当たり前過ぎる動機とページの残りに疑問がふつふつ。この結末は推理出来ないだろうが、でも読み物としては大きな謎解きに、結構気持ちいい話である。ラストでライムの手に動きがあり、努力は実るというテーマがこの作品に余韻を与えていると理解する。2021/06/05
at-sushi@進め進め魂ごと
76
一度は行ってみたいものの、おっかないので多分Street viewで済ませるであろう街・ハーレム。解放奴隷の子孫である華奢な黒人少女をつけ狙うヒットマンvsチーム・ライムの息詰まる攻防を通じて、米国の中の異国のようなハーレム文化や死刑執行人の苦悩、未だに根深い黒人差別の現実が突き付けられる。 なお、プラスキー初登場&受難の巻。これでシリーズ既巻コンプ。新作はよ。2021/05/21
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