内容説明
世紀末の「影」の芸術―象徴主義。光と実在へと羽ばたく近代芸術の主流に対し、夜と彼岸を希求するその精神のフォームを精細に論考し、現実と理想・理性と神秘の相克を生きる真理を追究。前著『象徴主義』に、19世紀フランスのオカルティスムと世紀末世界に関する新章2章を加え、多数の図版も追加した改訂増補版。
目次
第1部 象徴主義―モダニズムへの警鐘(ブルジョワの時代―19世紀後半の昼の精神;フランスにおける1886年の象徴的な意味;失楽園としての象徴主義;メランコリー;彼岸の世界への憧憬と絶望 ほか)
第2部 世紀末都市ウィーンとエロティシズム(太陽 斬られた頸;死の翳り;哲学としてのエロティシズム;クリムトとウィーン分離派;オイディプスたちの反乱 ほか)
おわりに:20世紀以降における象徴主義の意義
著者等紹介
中村隆夫[ナカムラタカオ]
1954年東京生まれ、美術評論家。上智大学文学部フランス文学科卒業。慶應義塾大学大学院美学美術専攻(修士課程)修了。滋賀県立近代美術館、毎日新聞社などを経て、多摩美術大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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