内容説明
脱「講壇哲学」者が示す「哲学する自由」。カントやレッシングの友人で、神の存在証明に関する著作等、顕著な業績を挙げながら、生涯工場に勤め続け「一度も大学に行ったことがない」メンデルスゾーンは、哲学が大学人の専有物ではなく、全ての人に開かれた知であることを如実に示す研究者である。本書はこの在野哲学者の全てを、主著『朝の時間』はじめ詳細に論考した日本初の研究であり、大学人即ち「講壇哲学」全盛のわが国に「哲学する自由」の意義を伝える、渾身の労作である。
目次
序論
第1章 メンデルスゾーンの「懸賞論文」(1762年)
第2章 カントの『証明根拠』に関する書評(1764年)
第3章 ヘルツ宛の手紙(1778年)
第4章 メンデルスゾーンのスピノザ解釈
第5章 『朝の時間』(1785年)
第6章 『朝の時間』第五講~第七講
第7章 『朝の時間』第八講~第十二講
第8章 『朝の時間』第十三講~第十五講
第9章 『朝の時間』第十六講~第十七講
結論
著者等紹介
藤井良彦[フジイヨシヒコ]
1984年生。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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