内容説明
新自由主義、労働と貧困、臓器移植、「新しい戦争」、外国人問題、オキナワ、政権交代、そして「東アジア共同体」…気鋭の社会学者が、日本社会の過去・現在・未来に深く切り込み、いま本当に必要とされる議論を提示する。
目次
“二〇〇九年”から考え始める―新自由主義批判から歴史/社会認識の再構築へ
再帰的実践の回路の再構築―“社会を観察し記録し発信すること”の意味
“暴力の移譲”に抗して―生存と自律のための思考を再文脈化するために
主権のはてしない分散化・遍在化―ガザ‐アフガン‐ソマリア沖の“戦争”
ベーシック・インカムの試練―定額給付金の支給をめぐる諸問題から
“運動体・賀川豊彦”を思考すること―福祉とアソシエーションの系譜学のために
いつまで矛盾を押しつけるのか―沖縄そして硫黄諸島の歴史性/現在性
転位する外国人管理と日本社会―“戦後責任”の忘却に抗して
生の廃棄を加速する法―“新・臓器移植法体制”に抗するために
居住の権利からの再審―選挙で問われなかった所有をめぐる諸問題
天皇制国民国家とその余白―共和制への想像力とともに
「基地の全面移設か、日本との決別か」―日本の政権交代と“沖縄”
殺すこと/殺されることへの感度―人種主義社会と恒久的派兵国家の途に進まないために
“ポスト冷戦的状況”の本格的な始まり―変動期の日本社会に求められること三題
“二〇〇九年”の先を見すえる―転換期の日本社会と「東アジア共同体」
著者等紹介
石原俊[イシハラシュン]
1974年、京都市生まれ。京都大学大学院文学研究科社会学専修博士後期課程修了。博士(文学)。専門は、社会学・歴史社会学。現在、明治学院大学社会学部教員。著書に、『近代日本と小笠原諸島―移動民の島々と帝国』(平凡社、2007年、第7回日本社会学会奨励賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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