出版社内容情報
原作はシェイクスピアと同時代に、詩人エドマンド・スペンサーによってエリザベス1世に捧げられた長編叙事詩で、質量ともに英文学の最高峰を誇る。全6巻と断篇からなり、アーサー王物語を題材に、妖精国女王の命を受けた遍歴の騎士たちが、貴婦人や魔女、魔術師、竜や怪獣などをめぐり数々の冒険を繰り広げる騎士道物語であり、当時の情勢(政治・宗教)を盛り込みつつ、それぞれの騎士が体現する人間の徳の姿を示す寓意物語である。本書はこれまでに二度『妖精の女王』散文訳に携わった訳者の知見を生かし、従来行われてきた意味重視の散文訳とは異なり、原詩の韻律の響きまでも忠実に反映させた、日本の西洋叙事詩翻訳における初の試みである。朗誦に適した七五調による、理解しやすく美しい日本語訳によって、生きた詩人の姿が、日本で初めてその全貌を現す。20頁に及ぶ詳細な解説とスペンサーの年譜、登場人物索引も収録。
【目次】
凡例
ローリーへの手紙
第1巻 赤十字騎士の神聖物語
第2巻 ガイアン卿の節制物語
第3巻 ブリトマートの貞節物語
内容説明
『妖精の女王』は、詩人エドマンド・スペンサーによってエリザベス1世に捧げられた長編叙事詩。アーサー王伝説を題材とした騎士道物語で、「妖精国」の女王グロリアーナの命を受けた遍歴の騎士たちが、徳を体現しながら、ときにアーサー王子の助けを得て、貴婦人や魔女、魔術師、竜や怪獣などをめぐり数々の冒険を繰り広げる。赤十字騎士(のちの聖ジョージ)はユーナ姫とともに竜退治に出かけ、若武者ガイアンは試練を乗り越えて至福の園に乗り込み、美貌の女騎士ブリトマートはマーリンの魔法の鏡に見た騎士を求めて旅に出る。(上)には「ローリーへの手紙」、第1巻「赤十字騎士の神聖物語」、第2巻「ガイアン卿の節制物語」、第3巻「ブリトマートの貞節物語」を収録。(下)には第4~7巻に加え、解説と年譜、登場人物索引も収録。シェイクスピアと同時代の最高峰の英詩を、原文が持つ韻律の響きまで忠実に反映させ、格調高い七五調で翻訳した、『妖精の女王』翻訳の決定版。第54回日本翻訳文化賞受賞作が装いも新たに復刊。
目次
第1巻 赤十字騎士の神聖物語
第2巻 ガイアン卿の節制物語
第3巻 ブリトマートの貞節物語
著者等紹介
福田昇八[フクダショウハチ]
1933年熊本県に生まれる。東京大学文学部英文科卒業、東京大学大学院修士課程修了。熊本大学教授、九州ルーテル学院大学教授を経て、現在熊本大学名誉教授。瑞宝中綬章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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