出版社内容情報
明治以降、国民を誤らせてきたのは誰か? 現代まで暗い影を落とす史実に新たな光を当て、日本を牛耳ってきた藩閥政治家、豪商、財閥、資本家の金脈と血脈にメスを入れ、日本近現代史の真実にせまる。
広瀬 隆[ヒロセタカシ]
内容説明
侵略、ファシズム、絶滅戦争、グローバリズム、格差社会―なぜ、日本は暴走したのか?そして、誰が富を得たのか?明治維新より現在まで日本を牛耳ってきた政治家、財閥、資本家の人脈と金脈にメスを入れ、近現代史を新たな視点で論じる、渾身の一冊。
目次
第1章 日本の財閥はどのように誕生したか
第2章 明治・大正時代の産業の勃興
第3章 朝鮮侵略・満州侵略の歴史
第4章 満鉄を設立して大々的なアジア侵略に踏み出す
第5章 最終絶滅戦争に至った経過
第6章 敗戦直後の日本の改革と日本国憲法
第7章 戦後の工業・経済復興はどのようにおこなわれたか
著者等紹介
広瀬隆[ヒロセタカシ]
1943年、東京生まれ。作家。世界史、日本史、原発問題など幅広い分野で執筆を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ばんだねいっぺい
28
目を覆いたくなる歴史もきちんと直視して教訓を学び、確実に現実へ生かしながらやっていけたらいいのに。それができない理由はなんだろうか。2017/03/05
樋口佳之
20
人脈と金脈の話は十分興味深い酷さなのだけど、事実とかなり感情的な表現の評価が入り混じっていて、かえって人脈金脈話が不鮮明になっている感。これは「持丸長者」にあたった方がいいのかも。2018/02/27
coolflat
19
明治以降を中心に『持丸長者』をコンパクトにまとめている。ただ『持丸長者』は資本家や政治家の系図、人脈を中心に描いていたが、本書はその系図は余り描かれていなく、日本史の流れに重心が置かれている。また昨今の政治情勢も所々に加筆されている。多くの識者は満州事変以降が日本の歴史のターニングポイントであり、その後軍国主義を突き進んだと言うが、そうではなく、本書を読むと「明治維新によって日本に財閥が形成されて軍国主義を育てた」という史実の経過がよく分かる。明治維新、もっとも幕末において軍国主義は芽吹いていたのである。2017/07/10
あっきー
9
✴5 朝ドラの「あさが来た」を見ていた、ストリーもなかなか面白かったし、五代友厚と大久保利通の友情と亡くなった時の酒浸りになっていたエピソードは美談で、俳優もいい男だったし…が、いい話は水面に出ている一部で水面下には何十倍の真っ黒な黒歴史が沈んでいたことが分かった、またホワイトナイト的なイメージがある白州次郎もこの本では滅多斬りだ、佐久間象山、吉田松陰、岩崎弥太郎、福沢諭吉、新渡戸稲造、吉田茂もなで斬りにされ、好きな人には頭にくる内容だ、常識がひっくり返された気分で こんなに刺激的な歴史本はめったに無い2017/02/24
ぽんくまそ
7
今でこそロックフェラーやロスチャイルドは世間の常識だが、もっとも初期の頃に財閥面から欧米に切り込んで開示してくれたのが著者である。いずれ日本の財閥にも切り込むだろうと期待していた。ただことはそれほど単純ではなく藩閥政府と三井・住友・岩崎などの大商人との間では複雑なやりとりがあり、大陸侵略のたびに国策と相まって新興財閥も勃興した。薩長クーデターから公害真っ只中での大阪万博に至るまでカネの工面や大閨閥から学び直す好著である。2020/06/01




