内容説明
「大学の教員等の任期に関する法律」は権力の濫用と大学の混乱、学問の危機をもたらすと危惧されていたが、京都大学井上教授事件でその危惧が現実のものとなった。本書は学問の自由の危機、大学の危機への警鐘をならすとともに、任期法制の悪用から正義の回復を試みるためのものです。
目次
韓国からの特報(再任拒否の処分性を認めた韓国大法院の判決;違憲判決後の再任ルールの設定)
第1章 本件事案と法律問題の要約
第2章 事件の真相と裁判所、学長への要望
第3章 「失職」の処分性と実体法上の違法性
第4章 同意に瑕疵があるとの理論構成
第5章 大学教員任期制法の違憲性・政策的不合理性と大学における留意点
第6章 京都地裁平成16年3月31日判決論評
資料編
著者等紹介
阿部泰隆[アベヤスタカ]
1942年3月福島市生まれ、1960年福島県立福島高校卒業。1964年東京大学法学部卒業・同学部助手。1967年神戸大学法学部助教授。1977年同教授。2000年4月より同大学大学院法学研究科教授。東京大学法学博士(1972年6月、論文博士)
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