内容説明
グローバル化する社会の中で埋もれていく数々の声に私たちはいかにして耳を傾けることができるのだろうか。耳を傾ける技術はどのように刷新され、それは民族誌的な記述のあり方をどのように変容させるのだろうか。命がけの亡命に挑み国境に消えていく人々の声、労働者階級の身体に刻み込まれた“声”。本書『耳を傾ける技術』はそうした声を聴くための様々な試みを提示する。社会学、カルチュラルスタディーズの新たなる挑戦。
目次
序章 聞き手の技術としての社会学
第1章 空から落ちる
第2章 家から離れたホーム
第3章 愛を刻み込む
第4章 目によって聞く
第5章 ロンドンコーリング
結論 生きた社会学
著者等紹介
バック,レス[バック,レス] [Back,Les]
1962年、ロンドン生まれ。ロンドン大学ゴールドスミス校社会学部教授。都市論、人種論、エスノグラフィーの視点からロンドンの若者文化における多文化状況を鋭く分析してきた
有元健[アリモトタケシ]
1969年、北九州市生まれ。国際基督教大学教養学部准教授。ロンドン大学ゴールドスミス校社会学部博士課程修了。社会学Ph.D。現代社会の身体文化、特にスポーツをテーマにして、人々のアイデンティティの構築を研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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manabu
2
著者はロンドンの労働者階級出身の社会学者。言葉だけでなく、語らぬものの物語に耳を傾ける。表紙の女性は、自分が名付け親の赤ちゃんが病気で亡くなるのを両親と見送った後、その子をかつて抱いた腕の内側に、子守唄で歌った Stevie Wonder の"Isn't She Lovely?"の楽譜を彫った。タトゥーが語る感情と絆と痛み。「たとえ資本論を読んだとしても、ストリートの記号が読めなければそれは役に立たない」2014/10/22
h1r04
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レスだけじゃなくUK Sociology、Goldsmithで学ぶことの意味が分かる本。 色んな理論を学びインポートして適用することは大事かもしれないけど社会はそれぞれ違う中でどのように人々が考えているのか、なぜそう考えているのか、自分が良いと思っている考えと違うのかを探ろうとしないと「社会」学といえないのでは、ということを教えてくれる。2024/02/16
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- 和書
- 灯台へ 岩波文庫