内容説明
フリーアー、ちょっとおしゃれ、恋愛は苦手、苫子26歳(処女)恋の行方はどうなる。『日本ラブストーリー大賞』審査員絶賛賞受賞。
著者等紹介
さとうさくら[サトウサクラ]
1979年8月24日生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さおり
45
マハさんがカフーのやつで大賞をとった「第一回日本ラブストーリー大賞」で、特別に設けられたという「審査員絶賛賞」を受賞した作品。人付き合いが苦手すぎる26歳のフリーター、苫子が主人公。私にもあるなーって思った。苫子はなかなかに極端だけど、でも、多かれ少なかれみんなあるんじゃないかなこういう、スイッチ探しちゃう感じ。最後に審査員の講評が載ってて、いろいろ誉めてあった後で、「人との出会い方に偶然が多く都合がよすぎることが唯一の欠点なので」と書かれてたけど、むしろ偶然じゃない出会いて何よ?と思ったりして。2018/05/09
assam2005
29
最初は協調性ゼロな主人公・苫子にこちらまで気が滅入っていたのですが、ある言葉をきっかけにその見方はガラリと変わりました。「周りに合わせて妥協して、納得しておけばいいところを、高みを目指し、こうしなきゃって思うからうざいことになる。もっと安い幸せでいいじゃない。自分が損するだけ。」自分を貫く苫子と、周りから浮かない生き方をする女友達・結衣。お互い相手を羨むわりに、自分以外の生き方はできない。私にも若い時ならそういうこだわりあったかな。でも今はこだわることがめんどくさい。…年齢のせいか、経験値のせいか。(笑)2018/05/15
nyanco
20
生きることが面倒で心を開かない苫子は、どんな仕事も続かない。清掃のバイトで出逢った人々と関わり苫子は少しずつ変わっていく…。苫子のやる気のない生き方に同調できなかったのだが、この見えないスイッチの発想はとても面白い。生きることを諦めていた苫子の再生のきっかけがサル男の言葉ひとつというラストは好き。綺麗事のようですが意外と人が変わるきっかけってそんな些細なことだったりする。あたたかい言葉で明るい気持ちになれ、顔を上げ、前を向いて歩きだすこだすことができる。そんな苫子の首に、もうスイッチはない。2009/11/25
horihori【レビューがたまって追っつかない】
16
主人公の苫子は26歳フリーターで処女。仕事はどれも長続きせず、思うように行かない世の中、自分に折り合いをつけることもできず、面倒な人間関係を避けて短絡的に日々をやり過ごしている。人の首の後ろにあるスイッチを押せばその人はいなくなると空想し、スイッチを探す苫子。そんな苫子が、バイトの人間関係をきっかけに変わっていく。なかなか簡単には変われないのだけど、少しずつ確実に変わってゆく。すごい自分の中にも「苫子的な」部分が確実に存在するように思えてきて、ときどきドキッとした。読めば、意外に深い。 2008/10/11
ひほ
15
現代の未婚の女性のどちらにも一歩を踏み出せない様子が細かく書かれている感じ。このぐだぐだ感がいいのかもしれないけど、ハッピーエンドが好きな私にとってはいまいちだったかな。2013/06/08