ワンコイン悦楽堂―ミネルヴァの梟は百円本の森に降り立つ

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  • サイズ B6判/ページ数 431p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784795844629
  • NDC分類 019.04
  • Cコード C0095

内容説明

博引傍証、ユーモアに満ちた、類例のない書評集。灘中・灘高で高橋源一郎を文学へ誘い、東大で内田樹をレヴィナス研究へと導いた“怪人”竹信悦夫。そんな“都市伝説的知性”の持ち主は、新古書店を巡り買い集めた百円本をいかに読み解いたか。早すぎる死までの、二年間の記録。高橋源一郎と内田樹による対談「竹信悦夫の天才性の解析」を収録。

目次

遠い国の話ではありません―『アフガニスタンの星を見上げて』(フルグラ・コヒィ著、小学館)
アッパーとロウアー―『超一流主義』(斎藤澪奈子、マガジンハウス)
金銭と書物を同時に愛する―『フィロビブロン 書物への愛』(リチャード・ド・ベリー著、古田暁訳、講談社学術文庫)
「うずらの石棺風パイ詰め」とは―『パペットの晩餐会』(イサク・ディーネセン著、桝田啓介訳、ちくま文庫)
imageとtextのハイブリッド表現―『オトコとオンナの深い穴』(太田垣晴子、メディアファクトリー)
知の関節を外される快楽―『超哲学者マンソンジュ氏』(マルカム・ブラドベリ著、柴田元幸訳、平凡社)
フーダニット(whodunit)―『作者の死』(ギルバート・アデア著、高儀進訳、早川書房)
エプロンをかまどに放り込んだ日―『イギリスのある女中の生涯』(シルヴィア・マーロウ著、徳岡孝夫訳、草思社)
組織の悩みに果てはない―『人はなぜ、足を引っ張り合うのか』(齋藤勇、プレジデント社)
翻訳本の「読み比べ」実験―『長靴をはいた猫』(シャルル・ペロー著、澁澤龍彦訳、河出書房新社)〔ほか〕

著者等紹介

竹信悦夫[タケノブエツオ]
1950年8月19日、兵庫県尼崎市生まれ。63年に灘中に入学し、万巻の書物を読破。「現代詩手帖」新人賞に応募し、寺山修司の絶賛を受け最年少で入選。70年、東京大学入学とほぼ同時に内田樹と懇意に。東京大学文学部西洋史学科卒業後、76年朝日新聞社入社。東京本社社会部、外報部、エジプト留学ののち中東アフリカ総局員、シンガポール支局長、英字紙デスク、英文季刊誌「Japan Quarterly」編集長、翻訳センター編集長などを経て、編集局速報センター次長。2004年9月1日、休暇で家族とともに滞在していたマレーシア・ランカウィ島で遊泳中に亡くなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Yukiko

10
ものすごーく愉しく読んで、最後に灘中、灘高、そして東大の頃の幼い頃、若い頃を知る、高橋源一郎、内田樹の対談を読んで、物悲しくなりました。天才が大人になって、もうやることがない、愉しく生きるには何をしたら良いのか、その答えがワンコインか。「あえてワンコインの本を選ぶという選択肢はふつうない。中学・高校の時にはまったく真逆のことをやっていた、中心の中心をやっていた、そういうことの償いをしているっていう感じがする」(高橋)。この本を読んで、損はしません。でも、大人になった天才ってコウイウモノカ、と思いました。2015/09/12

naruo_homewood

3
竹信氏は灘中、灘高の中でも特に優秀で当然のように東大に行った方らしいのですが、この書評集はそんなイメージとは真逆で、ユーモアに満ちたというか、実にくだらない内容でありながら、楽しく読んでしまう、そんな本でした。おそらく、読んでも役に立たないと思いますが、読んで損したとは思わせない不思議な本です。2013/05/11

tu-ta

1
内田樹がブログで時々紹介している竹信悦夫が竹信三恵子さんの夫だった人だと知って驚いた。予約して図書館で受け取ったとき、本の厚さにびっくりした。間違えてるんじゃないかと思った。パラパラ読んでもいいし、ちゃんと読んでもいいと思うけど、巻末の内田と高橋の対談を読むとすごい人だったのかと思う。それにしても、竹信さん、この本の収納、どうしてたんだろう。2010/08/21

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