出版社内容情報
60年安保をはさむ「戦後世代の政治思想」「擬制の終焉」などの政治思想評論、作家論、エッセイ群と詩を収録。
長く深い時間の射程で考えつづけた思想家の全貌と軌跡がここにある。第6巻には、60年安保をはさむ「戦後世代の政治思想」「擬制の終焉」などの政治思想評論、作家論、エッセイ群と詩を収める。
〈主な収録作品〉
時のなかの死
もっと深く絶望せよ
工作者と殺人キッド
社会主義リアリズム論批判
文学的表現について
戦後世代の政治思想
日本ファシストの原像
“パルタイ”とは何か
ある履歴
擬制の終焉
去年の死
睡眠の季節
現代学生論
葬儀屋との訣別
詩とはなにか
混迷のなかの指標
想い出メモ
埴谷雄高論
萩原朔太郎
室生犀星
小林秀雄
西行論断片 ほか
【著者紹介】
1924年、東京・月島生まれ。詩人、文芸批評家、思想家。東京工業大学工学部電気化学科卒業後、工場に勤務しながら詩作や評論活動をつづける。日本の戦後思想に大きな影響を与え「戦後思想界の巨人」と呼ばれる。2012年3月16日逝去。
内容説明
長く深い時間の射程で考えつづけた思想家の全貌と軌跡。60年安保をはさむ「戦後世代の政治思想」「擬制の終焉」などの政治思想評論、作家論、エッセイ群と詩を収める。
目次
1(時のなかの死;孤独の幼女)
2(もっと深く絶望せよ;工作者と殺人キッド ほか)
3(谷川雁論―不毛なる農本主義者;中野重治 ほか)
4(河上徹太郎『日本のアウトサイダー』;井上光晴『虚構のクレーン』 ほか)
5(岸上大作『意志表示』;本のうわさ―萩原朔太郎『詩の原理』)
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感想・レビュー
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金北山の麓に生まれ育って
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【部分読みですが】大江批判部分を、例えば「若い世代のこと」「もっと深く絶望せよ」を、大江の江藤や柄谷との対談集を思い出しながら読んだ、吉本も同時代でここまで見えていたのだなぁ正確な分析だが矢っ張り大江は物凄く気になる作家だったのだと再確認した。石原や江藤は揶揄はしているが批判にはなってないような気がした。再読だが「社会主義リアリズム論批判」には敬服。「文学的表現について」での小林秀雄へのほぼ手放しの称賛にも感服、オーウェルの階級論を連想した見える人は同じ景色を見てしまうのかもしれません、達人って居るのです2025/07/21