- ホーム
- > 和書
- > 文芸
- > 海外文学
- > その他ヨーロッパ文学
内容説明
北アイルランドはデリーの町。人びとの根深い対立に端を発する、うわさや密告や陰謀がうずまくミステリアスな町。行方知れずの伯父さんに一体何があったのか?心を閉ざす母。愛すべき沈黙をまもる父。家族一人一人が決して口にしてはならない秘密を胸深く封じこめて生きている。魅惑と恐怖が背中あわせの闇のなかで、のびやかにして繊細な少年の心に刻まれる、生と死と愛と孤独―。アイルランドのゆたかな幽霊伝説や妖精譚に彩られた少年の日々を詩情あふれる筆致で描く。「今日のアイルランドが生んだ小さな大傑作」と絶賛された、心ふるえる連作小説。ガーディアン紙小説賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
81
曖昧な不安と歳を経る度に募る理不尽な現状への鬱屈、逃げられない事への諦念と人間不信。その根底にあるのは、北アイルランドの歴史だった。家族の真実を的確に言った主人公が父親に殴られ、逃避先である薔薇を憎悪と憤怒を込めて斧で叩きのめす場面の感情の噴出にこちらも揺らいでしまう。真実を知っていたからこそ、心を閉ざした母が自分に辛く、当たっていた理由。真実を知らされなかったが、母の心を分かっており、それでも母と添い遂げた父。ラストの二人の姿はそれでも愛はあったのだと伝えてくれる。2019/05/17
ふみ
21
少しづつ少年の目はひらいていって、だが 真実に近づくほどに闇は深くなる。政治と不可分な家族の秘密をアイルランドの伝承とともに。2017/03/19
no6
2
最初読みにくくて投げ出しそうになったけれども、最後まで読んで本当によかった。アイルランドという場所の悲しさと、コミカルにも思える学校生活などを描く少年の目。2012/10/16
熊猫
0
http://booklog.jp/edit/1/47949639982013/03/06
timeturner
0
誤訳の嵐2011/01/05
-
- 和書
- 絵で見る現場のおぼえがき