内容説明
ロアール河畔に立つモンセル伯爵の城館。その画廊から彼のコレクションの白眉、ダ・ヴィンチの名画が消えた!続いて、館にしのび入った賊が、囚人護送車が不可解な消失をとげる、ボアローの「三つの消失」。嵐の中アレキサンドリアを出港した白鯨号でおきた連続殺人。―しかし、犯人は死体もろとも消え失せた。航海中の貨客船を一大密室と化する壮大なトリックを仕掛ける、ナルスジャックの「死者は旅行中」。本格ミステリー・ファン垂涎の的であったボアローとナルスジャックのそれぞれ単独名義の傑作を一冊にまとめた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨコケイ
1
合作で有名なボワナルの単独名義作。ボワロー「三つの消失」村の観光名所になっている城館の画廊で案内係が殺され名画が消失する。犯人は捕まるが黙秘。後日、再び城館に共犯者が現れ今度は壁抜けとしか思えない状況で消失。さらに犯人が護送車ごと消え…。ここへきて名探偵の登場と相成る。トリックマニアだったらしいボワローが思うさま不可能状況を詰めこんだ感じが微笑ましい。むしろ現代の本邦作家のあっけらかんとした作風にも通じるかしら。英米〈黄金期〉と同時期で〈本格〉志向のはずだが絵画盗難事案に隠しきれないルパン味が漂いニヤリ。2025/06/20
ボブ
1
「三つの消失」錯覚を利用したような古典的トリック、面白い❗「死者は旅行中」のトリックも、現在ではお馴染みですが、当時では、画期的だったのでは、、これも大満足でした。2019/01/15
shiaruvy
1
【1988.05.20 初版】2017/08/06