出版社内容情報
レーニンによるロシア革命からスターリンの台頭と跋扈,その渦中にあえぐ民衆,そこにつきまとうロシア的性格を見通して,新たなソ連邦通史を構築!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
4
この巻は、1920年代末のスターリン体制確立から1950年代半ばのスターリン批判期までの、スターリン時代が範囲。大粛清、大祖国戦争、戦後復興、スターリンの死、フルシチョフの権力掌握というソ連の歴史が政治思想や政策中心に記述されている。ダンコースは、スターリン体制の極度の抑圧や暴力を、スターリン個人のキャラクター(狂気とか)に起因させる事には懐疑的だ。その要素は確かにあるが、原因は「後進的なロシアを是が非でも近代化させなければという切迫感、そして、本来はそのモデルとなるべき西欧への根深い不信感」だという。2023/03/04