デンマークのにぎやかな公共図書館―平等・共有・セルフヘルプを実現する場所

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デンマークのにぎやかな公共図書館―平等・共有・セルフヘルプを実現する場所

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  • サイズ B6判/ページ数 264p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794808493
  • NDC分類 016.238
  • Cコード C0000

出版社内容情報

★平等・共有・セルフヘルプの社会理念に支えられた北欧の豊かな“公共図書館文化”を余すところなく紹介!

 充実した福祉で知られるデンマークが、図書館サービスにおいても世界のトップレベルにあるということをご存知だろうか? 本書では、著者が実際に訪ね歩いたデンマークの個性的な図書館の事例を紹介しつつ、北欧公共図書館の豊かな世界にみなさんをご案内するものである。北欧各国は一貫して、格差のない平等な社会の確立を社会政策の中心課題として掲げてきた。その中にあって公共図書館は、情報への平等なアクセスを確保することによって、情報にかかわるギャップを埋める機関として社会的に認知され、生涯学習の拠点として住民から高い信頼を得ている。北欧では幼いころから保護者に連れられて公共図書館に行き、学齢期になると自ら学校図書館と親しむようになり、それから生涯にわたって図書館を利用するのだ。本書は様々な角度からそうした北欧公共図書館の魅力を浮き彫りにするとともに、公共図書館の成熟に平等・共有・セルフヘルプといった北欧社会の理念が密接に結びついていることを明らかにする。必要な資料を利用者一人ひとりに手渡していくこと―この当たり前とも言える図書館の原点を、北欧の公共図書館は淡々と守り続けてきた。なぜなら、人は誰しも一冊の本を通じて自分と社会を変えていく力があるから。厳しい吹雪の中を「ブックモービル」を走らせて本を届けたり、フィヨルドの奥地まで「図書館船」を運航するといったサービスが続けられてきたのは、そうした可能性を社会全体で示していくためなのである。本書には、誰もが一度は行ったことがある図書館の魅力を〈再発見〉するためのヒントがギュッと詰まっている。まずはページをめくりながら、北欧の図書館の世界を写真とともにゆっくり楽しんでください。(著者 吉田 右子)

内容説明

デンマークの図書館サービスは世界でもトップレベル。北欧の豊かな「公共図書館文化」を余すところなく紹介。カラー口絵4P、写真多数。様々な角度から北欧公共図書館のその魅力を浮き彫りにするとともに、公共図書館の成熟に「平等」「共有」「セルフヘルプ」といった北欧社会の理念が密接に結び付いていることを明らかにする。

目次

序章 私が北欧の図書館をめぐる旅に出た理由
第1章 デンマーク公共図書館サービスの基盤―歴史・法・専門職制度
第2章 デンマークの公共図書館サービスの実際―サービス・施設・プログラム
第3章 デンマークの公共図書館をめぐる旅―個性的な図書館を訪ねて
第4章 デンマークの読書事情―さまざまな読書のスタイル
第5章 北欧の図書館をめぐる風景―スウェーデン・ノルウェー・フィンランド訪問記
第6章 北欧公共図書館を支える理念―私たちには図書館がある

著者等紹介

吉田右子[ヨシダユウコ]
1963年、東京都生まれ。1992年、図書館情報大学大学院修士課程修了。1997年、東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。1997年、図書館情報大学助手。現在、筑波大学大学院図書館情報メディア研究科准教授(公共図書館論)。2008年8月から2009年3月まで、デンマーク王立情報学アカデミー客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

74
デンマークの公共図書館は国際的に高い評価を受けている。2004年オーフース図書館はビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団の学習へのアクセス賞を受賞。著者は2008年デンマーク王立情報学アカデミーに研究員として留学し、表紙の王立図書館に通い、利用者の側から北欧の図書事情を詳らかにした。北欧の3つの理念「平等・共有・セルフケア」が図書館に関しても反映されていることを強く感じたと。特に「共有」の感覚は日本人とは明らかに違う感覚。移民や難民が多い欧州の事情もあり、「リビング・ライブラリー」はデンマークから始まった。2020/05/28

まりお

37
北欧の図書館について。スウェーデンを読んで、次にこちらを読んだ。両者に言えるのは、移民や障碍者などのマイノリティへの手厚い福祉。生涯学習を大切にする社会。司書の働きに積極性があること。特に司書の働きが素晴らしい。利用者の為に自ら働く姿が良い。2020/01/28

tow

11
スエーデンのもそうだけど、日本の(私がよく行く)図書館と、読み初めてすぐに、ああ、違うと感じた。面白かった。2018/09/22

ちゃば

11
一口に図書館といっても、国によってこれだけ違うのか!と初心者な私は感心しっぱなし。セルフヘルプ、個人主義という欧米。図書館一つとっても文化の違いがあらわれるのだな。ふむふむ。2013/03/04

ふくしんづけ

9
図書館の充実はその国の豊かさの指標にもなるようだ。環境の違いもあるので一概に日本と比較はできないけれども、サービスの多様性もさながら、本書を読んで印象的だったのは、国民の図書館に対する理解。〈図書館を日々の生活の拠り所として利用する住民と、利用しないけれども図書館の存在を支持する住民の両方によって、デンマークの公共図書館は支えられている〉もちろん政策や教育、図書館員の努力によるところも大きいのだろう。建築や内装など見るだけで楽しい図書館の魅力だけでなく、デンマークの風土に触れられる紀行本のような一冊。2022/10/31

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