出版社内容情報
新選組とはいったいなにか。「池田屋事件」である。
実際、この事件には新選組のすべてが集約されている。
新選組はとにかく池田屋事件によって一躍、幕末の表舞台に駆け上がった。もし池田屋事件がなければ、新選組が動乱の幕末史にその名を刻むこともなかっただろう。いわんや倒幕派との戦いにおける幕府側の先兵として、つねにその第一線に立ち続けることもなかっただろう。そしてもし池田屋事件がなければ、近藤勇が倒幕派の恨みを買って無残に斬首されることもなかっただろう。もし池田屋事件の華々しい勝利の記憶がなければ、新選組が四分五裂してしまったあと、土方歳三がなおかつ宇都宮、会津、箱館五稜郭と転戦を重ね、ついに悲劇的な最期を遂げることもまたなかったかもしれない。池田屋事件は新選組の華々しい勝利の記憶であり、土方歳三をはじめ、沖田総司、永倉新八、斎藤一といった隊士たちは、その勝利の記憶を終生、放さなかった。そして、それが新選組の悲劇でもあった。輝かしい勝利の記憶と滅びの予兆。これが池田屋事件というものが人びとの心を惹き付けてやまない原因であり、新選組の「物語」が日本人の心を激しく揺さぶってやまない理由でもある。戦前戦後を通して、その時代の新選組映画が、果たして池田屋事件をどう描いたのか?順々に考察して行く。図版多数収載。
【目次】
プロローグ すべては池田屋に始まる
第1部 近藤勇の時代
第1章 新選組映画、3つの流れ
第2章 戦後時代劇全盛期の新選組映画
第3章 新選組映画の変貌
第2部 土方歳三の時代
第4章 新時代の到来 テレビドラマにおける新選組
第5章 新選組映画の復活
第6章 新選組はなぜ人気があるのか
内容説明
新選組とは何か―。「池田屋事件」にすべてがある。日本人はなぜ、これほど新選組が好きなのか?“初の本格的新選組映画論”
目次
プローグ すべては池田屋に始まる
第1部 近藤勇の時代(新選組映画、三つの流れ;戦後時代劇全盛期の新選組映画;新選組映画の変貌)
第2部 土方歳三の時代(新時代の到来―テレビにおける新選組ドラマ;新選組映画の復活;新選組はなぜ人気があるのか)
著者等紹介
小松宰[コマツオサム]
映画評論家。雑誌や新聞などに映画評論を多数発表。近年は時代劇映画の研究に専念する。忠臣蔵研究家としての忠臣蔵講演のほか、坂本龍馬、織田信長、源義経などについての歴史講演も数多く行っている。著書『忠臣蔵映画と日本人―「雪」と「桜」の美学』(森話社)これにより第27回大衆文学研究賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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