内容説明
塚原卜伝・上泉信綱の高弟。将軍義輝と「竜虎」と呼ばれた具教(とものり)の守る南伊勢の大河内城に、天下布武を目ざす信長の七万の大軍が押し寄せる。攻防五ヶ月。信長は遂に糧道絶ちを仕掛けてくる。誇りに生きヨ、斬り死にこそ本望…と怒号する具教。「二十倍の大敵、勝算なし、降伏して部下の命を救え」と、父の怒りの木刀の前に立ちふさがる具房。無気味に迫る九鬼水軍。智略戦しかできない己を恥じて暴走する藤吉郎―。和睦の使者の訪れに開城を決断した剣豪具教は、その前日、数騎で城門を開き敵中に突入。修羅となって斬ってまわる―。
著者等紹介
深水聡之[フカミサトシ]
1975年、三重県生まれ。関西学院大学大学院文学研究科博士前期課程修了(専門は日本中世史)。2004年、「妖異の城」で碧天歴史小説大賞・エンターテインメント賞を受賞。2005年、「犬坊狂恋」で祭り街道文学大賞を受賞(新風舎より2006年4月刊行)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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