内容説明
謀反の疑いを信長にかけられて生き延びた家臣はいない。その疑いが一鉄にかけられた。茶室に招かれて刺客と同席した一鉄は、漢詩を朗々とうたって虎口を脱する。…信長死後、織田家に好意を寄せる武将に密かに悪謀をめぐらす秀吉は、一鉄をつぶすために次々に無理難題を吹きかける。秀吉に反論するときは「一戦を交えるとき」と見極めた一鉄は顔色も動かさず、すべてを快諾した。石のような公式主義で自滅した武田勝頼。柴田勝家を敗北させた佐久間盛政の慢心。兄弟喧嘩でみすみす天下を失った織田信雄・信孝。三代目型とはなにか?―合戦と悪謀の海を人間技とは思えない度胸と智略で生き抜いた名将を活写。