連れ連れに文学を語る - 古井由吉対談集成

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連れ連れに文学を語る - 古井由吉対談集成

  • 古井由吉
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  • サイズ 46判/ページ数 349p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794225689
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

グラスを片手にパイプを燻らせ、文学そして世界の実相を語る。
八〇年代から晩年までの単行本未収録インタヴュー、対談録を精撰。

夫馬基彦、柳瀬尚紀、福田和也、山城むつみ、木田元、養老孟司、
平出隆、蓮實重彦、島田雅彦、堀江敏幸、すんみ、蜂飼耳

【本文より】
夫馬 藤枝さんのここ数年間の作品なんかはどう評価されますか。
古井 大変評価しますよ。藤枝さんは文章の奥から出てくるものが粘っこいんですよね。志賀直哉の場合と違いますよね。僕の文章が粘っこいとかしつこいとか、そんなこと言うのはもう了簡違いで、藤枝さんの作品を一度後藤明生さんと読んでいて、やっぱりいいけどオエーッだねって(笑)、そういう感想はあります。

古井 だけど、文学は面白いですか。
福田 僕ですか。文学は……どうなんでしょう。でも、言葉でしか生きられませんね。
古井 僕は砂を?む思いが極まって面白いと思っている。まだいい文学ができるという了見はいけないのだろうね。予定調和みたいなね。どれだけスッカンピンになっているかという意識が大事なんですよね。

古井 「死への存在」という言葉を聞かされると、非常に唐突ですが、特攻隊の青年の最期を思ってしまうんです。やっぱり、我が身に引きつけてしまうから、文学を読むように、生きている人間の状態・状況を思い浮かべようとするらしい。一方では中世神秘主義の極致を思い、一方では特攻隊の青年の最期の気持を思う。特攻隊の青年の気持を思いながら読むと結構わかるところがあったりして……。
木田 それはちょっと考えたことがなかった(笑)。

古井 もっと新しい時代、大化改新以後を取っても、日本というのは二重言語の国でしょう。漢文と和文と、漢字と和字と、しかも、漢字と仮名を交えて使っている。
島田 南蛮文化渡来の頃と明治以後はローマ字もね。
古井 表意文字と表音文字。こんな複雑な言語は世界には少ないでしょう。だって、漢文という、もとは中国語のものを日本語にして、そのまま読んでしまう。これ、外国人にはなかなか説明できませんよ。しかも、中国語と日本語は言語の系統が違うんだから。

古井 今の世の中は行き詰まると思う。日本だけではありません。世界的に。そのときに何が欠乏しているか。欠乏を心身に感じるでしょう。そのときに文学のよみがえりがあるのではないかと僕は思っています。
堀江 空白をつくって、よみがえりを待つのか。それとも、どこかにスルメのにおいが漂っているということを、中間的にでも、今、誰かが伝えていくべきなのか。後者だと僕は思います。

すんみ 歌ではどのように上昇志向があらわれているんですか。
古井 微妙なあらわし方だけど、読んでいる心は遠くまでいくような歌があるんですよ。それは西洋の文学と違って、かならずしも上のほうに行くんじゃない。地平にあまねくひろがるような……。これはなかなか豪気なものですよ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yumiha

40
「徒然の語源は『連れ連れ』」「徒然は独白ではない」(P239)から、本書のタイトルを付けたのだろう。道連れとなった錚々たる12人の対談者と繰り広げる内容は、文学について、言語について、古井作品について、とても興味深い内容だった。特に木田元とのハイデガーの話は、「論考と論考をつなぐのはパトス」という驚きの内容。あの難解な『存在と時間』を文学として原語で読んでいるとは、いやはや!養老孟司との「言葉を使う時は、同時並列処理」という例として「古池や蛙飛び込む水の音」を挙げたページも、ふむふむと納得させられた。2023/03/13

踊る猫

27
古井由吉という人はいったい何者だったのだろう。この対談集では木田元や養老孟司、蓮實重彦や福田和也といったかなりの食わせ者たちと古井由吉が台頭に渡り合い、対談の質をアクチュアルなものにまで高めたことが記録されている。もちろん古井由吉はただの文学者であり知識人でもジャーナリストでもなかったわけだが、しかしその文学者としての勘や潜在能力(地頭?)において抜きん出ていたことが伺える。その一方でそんな能力にうつつを抜かすことなくストイックに執筆/創作を重ねていたからこそ対談の相手は敬意を払ったわけだ。食えない御仁だ2022/03/22

yutaro sata

15
これは読みですね。じわじわと深いところへいく。2022/08/20

amanon

5
ああ、もうこの世に古井由吉という作家は存在しないのだな…という気いう気にさせられた。また、本書で何度か語られる執筆のスタイルに、この人あたりが、手書きで小説を書く最後の世代かもとも思わされた。対談集ということで、さらっと読めるかと思いきや、かなり深いところまで話が及んでいるので、一読しただけでは、その内容を把握しがたいというのが正直なところ。また、それなりに古井の作品を読み込んできたと思っていたが、当然のことながら、本書の対談相手ほどには読み込めていないという事実に恥じ入る。未読の作品を読みたくなった。2024/02/04

hirayama46

3
1980年代から晩年近くまで、幅広い年代の未収録対談をまとめた本で、これはなかなかすごい。なにしろどの分野においても古井由吉の圧倒的な知の片鱗を感じることができ、くらくらします。自作の振り返りは未読がほとんどだったのでよくわからない部分も多かったですが、養老孟司との言語、木田元との哲学のトークは圧巻でした。島田雅彦との対談における現代社会の捉え方もとても興味深かったです。2022/05/30

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