大名家の秘密―秘史『盛衰記』を読む

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大名家の秘密―秘史『盛衰記』を読む

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  • サイズ B6判/ページ数 288p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794223531
  • NDC分類 288.3
  • Cコード C0021

出版社内容情報

家康の子、孫、ひ孫の、奇矯な行状!
宿場の焼き討ち指令──〈水戸藩・初代〉徳川頼房(よりふさ)
屍(しかばね)漂う川を遊泳──〈水戸藩・2代〉徳川光圀(みつくに)
将軍家光とお風呂で指切り──〈高松藩・初代〉松平頼重(よりしげ)
罪人試し斬りと解剖──〈高松藩・2代〉松平頼常(よりつね)

高松藩士・小神野(おがの)与兵衛が十八世紀半ばに記した『盛衰記』。
そこには、高松松平家やその本家の水戸家の殿様たちの生々しい行状や、大名父子の壮絶な確執、
大名と家臣たちの濃密すぎる関係性が鮮明に描かれている。
武士の忠臣美談など「武士道」のイメージとはまるで異なる、江戸前期の激越な武士世界をつまびらかにする。

序章 三人の殿様の死─頼房、頼重、頼常
 寛文元年(一六六一)─水戸藩初代・徳川頼房の臨終と、息子頼重(英公)との和解 
 元禄八年(一六九五)─龍になって昇天した、高松藩初代・松平頼重(英公)
 宝永元年(一七〇四)─あまりに冷静な死の迎え方、高松藩二代・松平頼常(節公)

第一章 歴史を編んだ男たち
 高松藩主の「秘史」を描いた小神野与兵衛の『盛衰記』
 いくつも生まれた『盛衰記』の写本
 『盛衰記』を批判し『消暑漫筆』を書いた中村十竹
 中村による間違い探し
 小神野と中村という絶妙コンビ

第二章  頼房と、その子、頼重、光圀。父は息子を“水”にしようとした。 
 江戸時代の「父と子」の意外な真実
  親子の深い情愛という“幻想”
  繰り返される大名家の父子不和
  親に愛されなかった武家の御曹司たち─松平忠輝、徳川家光

 父に流されかけた英公(頼重)─出生から成人まで
  頼房はなぜ、英公と光圀を“水”にしようとしたか
  父を恐れて京都に潜伏
  老中松平信綱、英公の栄達を祝す
  江戸城、湯殿のエロス
  家光と英公、湯気の中の誓い
  「ゆびきりかまきり」とは何か

 嗜虐的な頼房、かぶき者光圀、増長する英公
  徳川頼房は名君だったのか
  幼い息子光圀に首を拾わせ、屍漂う川を泳がせた頼房
  ワルだった青年期の光圀、兄・英公に挑む
  頼房の光圀への態度は、虐待かしつけか
  東海道蒲原宿一件
  頼房激怒、「蒲原宿の男女問わず焼き殺せ」
  中村十竹、蒲原宿一件の誤りを指摘する
  泰平の世でもありえた、武士の残虐な復讐劇
  家光に愛される英公、嫉妬する頼房
  頼房に拒絶された英公を重臣たちが必死にフォロー

 わが子を流そうとした光圀、そして節公(頼常)誕生
  光圀が男子誕生を望まなかった理由
  水にされかけた頼常(節公)誕生の経緯
  英公の指示で、生後一ヶ月足らずで京都に逃げた節公

第三章 子流しと子殺し
 日本で古くからあった堕胎と間引きの慣行
 宣教師たちを驚かせた日本の嬰児殺し
 飢饉や貧しさに迫られて。いや、そうでなくても…
 武士の家でも行われた子流しと子殺し
 徳川将軍家の場合─保科正之の誕生とその後
 堕胎は“子殺し”か

第四章 傍若無人な父、頼重(英公)復讐する息子、頼常(節公)
 英公と節公、どちらも名君だった
 互いに何が不満だったのか
 御隠居英公の、あまりに不遜で気ままなふるまい
 英公の独断決定と、節公の報復

第五章 わが子に一度も声をかけなかった冷たい殿様
 寡黙すぎる父、節公
 わが子を流すようみずから命じたのに…
 節公の子を流した家臣・谷を襲う苦難
 百年続いた水子の祟り
 光圀と節公、打ち解けなかった父子初対面

第六章 曲者(くせもの)という名の家臣たち
 「お風呂のお下がり」を許された有馬大学の悲劇
 有馬を蒸し殺そうとした三人の切腹と、英公の後悔
 渡辺伊賀の「顔面大疵」事件
 「うろたえ者」の一言で武士をやめた鳥井三右衛門の意地
 芹沢水之助の保身術
 英公への“愛”ゆえに出奔した新井源六
 英公にひとめ惚れした米原惣兵衛
 家臣たちに「男ぶり」を求めなくなった晩年の英公
 若き日の英公が惚れた、渡辺彦右衛門と八木弥五左衛門の男ぶり
 小柄だった英公のマッチョ願望
 高禄を求める家臣と、駆け引き上手の英公
 武術をウリに仕官した浪人たちと、中村十竹の猛批判
 水戸藩から送り込まれた重臣、肥田和泉守と彦坂織部の逸事
 お手討になった女中と、英公の悔恨

第七章 名君・頼常の後姿(うしろすがた)
 節公の家臣イジメの真意
 小者と狩猟を楽しむ、奇人・節公
 「腑分け」見物とカニバリズムごっこ
 お気に入りは変人奇人か“足りない人”ばかり
 財政再建を果たしたマニアックな節約精神
 教育者にして、人情家
 お忍びで茶屋遊びと廓通い。そして女性の趣味
 英公と対照的だった節公の金銭感覚
 藩主みずから「罪人斬り」。英公と節公の剣の腕前は…  
 高松藩士による赤穂城潜入記
 「拙者どもを捨て殺しになさるのか」。憤る高松藩士と動揺する節公

終章 歴史を編む人、ふたたび
 五代藩主・松平頼恭(穆公)の最期まで
 瀧信彦はなぜ『増補穆公遺事』を著そうと決意したのか
 穆公とは、どのような殿様だったか
 穆公の試し斬り未遂、そして、驚きの閨房話
 瀧が抱いた小神野へのシンパシー

氏家 幹人[ウジイエ ミキト]
著・文・その他

内容説明

高松藩士・小神野与兵衛が十八世紀半ばに記した『盛衰記』。そこには、高松松平家やその本家の水戸家の殿様たちの生々して行状や、大名父子の壮絶な確執、大名と家臣たちの濃密すぎる関係性が鮮明に描かれている。武士の忠臣美談など「武士道」のイメージとはまるで異なる、江戸前期の激越な武士世界をつまびらかにする。

目次

序章 三人の殿様の死―頼房、頼重、頼常
第1章 歴史を編んだ男たち
第2章 頼房と、その子、頼重、光圀。父は息子を“水”にしようとした。
第3章 子流しと子殺し
第4章 傍若無人な父、頼重(英公)
復讐する息子、頼常(節公)
第5章 わが子に一度も声をかけなかった冷たい殿様
第6章 家臣という名の曲者たち
第7章 名君・頼常の後姿
終章 歴史を編む人、ふたたび

著者等紹介

氏家幹人[ウジイエミキト]
1954年福島県生まれ。東京教育大学文学部卒業。歴史学者(日本近世史)。江戸時代の性、老い、家族を中心テーマに、独自の切り口で研究を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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