出版社内容情報
そもそも中国に国境という概念は存在しないのである。
世界は自らの「中華世界」とその周辺の「夷狄」で成り立っており、周辺の勢力が増せば縮小し、弱体化すれば拡張する。
中国の歴史はつねにそうした膨張と縮小の繰り返しであり、その「戦略的辺疆」を長期間にわたり実質支配すれば、
地理的境界を拡大することができると考えてきた。
時代によって「顔」を変え、「形」を変えて生き延びてきた中国。
その領土拡張政策を予測するうえでの重要な指針を与え、威嚇と恫喝の裏に隠された中国最大の弱点を浮き彫りにする。
内容説明
そもそも中国に国境という概念は存在しないのである。世界は自らの「中華世界」とその周辺の「夷狄」で成り立っており、周辺の勢力が増せば縮小し、弱体化すれば拡張する。中国の歴史はつねにそうした膨張と縮小の繰り返しであり、その「戦略的辺彊」を長期間にわたり実質支配すれば、地理的境界を拡大することができると考えてきた。時代によって「顔」を変え、「形」を変えて生き延びてきた中国。その領土拡張政策を予測するうえでの重要な指針を与え、威嚇と恫喝の裏に隠された中国最大の弱点を浮き彫りにする。
目次
第1章 史上最大の版図に膨張する現代中国(中国は多様なる一つの世界;極めて異質な国防意識;民族問題という内なる火種)
第2章 中国はいかに領土を拡張してきたか(「中原の地」と「化外の地」;満洲;蒙古;新彊;チベット;併合できなかった地域)
第3章 知らぬ間に築かれた軍事大国の礎(二度と侵略されない国へ;地理的要素に配慮した中国の国防体制;米ソの間隙をつく第三国へのたくみな進出;敵と味方は利害で変わる;毛沢東の異常なまでの防衛観)
第4章 アジアの大国から世界帝国への豹変(「現代版中華世界」の再興;南シナ海は核心的戦略区;西アジア、インド洋から中東、さらにアフリカへ進出)
第5章 中国はどこまで膨張するのか(東シナ海をわが物顔で徘徊する中国海軍;海の辺彊、西太平洋)
著者等紹介
平松茂雄[ヒラマツシゲオ]
中国の政治・軍事戦略研究の第一人者。1936年、静岡県生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科(政治学専攻)博士課程修了。法学博士。専門は現代中国(軍事・外交)。防衛庁防衛研究所研究室長を経て、1987年より2005年まで杏林大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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