内容説明
現代の恋愛のかたちを都会的なセンスで描き、世界的センセーションを起こしたベストセラー小説集。「絶大な自信とモデル体形」を持つ「私」が、「制限なしのビールとセックス」をもとめて、“ペプシ・ポケベル・MTV世代”の代表選手のようなオシャレなパンク・ロッカーから、エミネムを憎悪し「ニガー」と自称するラッパー、現実に絶望し、世の一切に関心を持とうとしないクールな青年など、つぎつぎと現れる男たちのもとを行ったり来たりふらふらとさまよいつづける「ぜんぶ欲しい!」ほか、カラフルなポップ・ソングに彩られたにぎやかな日常のもと展開される、さまざまな女の子たちの“本当の恋を探す旅”を、ミュージック・クリップのような鮮やかなテンポでつないだ6つの物語を収録。
著者等紹介
ジェーネシキナ,イリーナ[ジェーネシキナ,イリーナ][Денежкина,Ирина]
1981年、ロシア・エカテリンブルグ生まれ。ウラル国立大学ジャーナリズム学部卒。『恋をしたら、ぜんぶ欲しい!』は、ロシア・ナショナル・ベストセラー賞にノミネートを受けるなど文学的評価も高く、いま最も新しい世代の書き手として注目されている。本書のプロモーションで世界を飛びまわる毎日を送っている
吉岡ゆき[ヨシオカユキ]
1959年、埼玉県生まれ。東京外国語大学ロシヤ語科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Porco
8
2002年にロシアでベストセラーになった、当時20歳の女子大生が書いた短編集。2016/04/17
空の落下地点。
2
「対象(好きな相手)の代わりに俺を置いてみて、それは必要?」「俺には必要なんだ」...ここが一番難解。偶像としての恋人像と実像としての自分が完璧に一致する、相手の中で、それを望んでるってことかな。イスーポフがモテ男になってて、あの彼女は兎の飼育に成功した。/「傷付いた心越しに彼女はほほえんだ」2019/07/05
narmo
1
女子大生が生の若者生活を生の言葉で描いた作品。生の若者言葉を読み通すには、少々体力が入りました(苦笑)。どちらかというと、映画で観てみたいかなぁという作品。つらつらと書かれている若者の表情とか動きとか、映画でいい俳優さんを使えば1秒で表せそう…な感じ。…と思ってたら、作者ジェーネシキナは現在テレビドラマの作家さんをしているとか。適職だな、うん。若い作家さんの描く世界ということで、読んだの昔すぎてうろ覚えですが、イメージが綿矢りさの『蹴りたい背中』に似てるなと思いました。2017/11/25