内容説明
豊富な資源、多数の優秀な科学者、技術者を擁し、アメリカと対抗しているかに見えたロシアの産業は、ソ連崩壊とともになぜかくも悲惨な状況に置かれてしまったのか。実は、ソ連時代に、家電産業や自動車産業はもとより、強大に見えた宇宙産業にいたるまで、世界の水準に大きな遅れをとっていたのである。この本は、ロシアの産業の現状を報告しつつ、ソ連、ロシアが遅れをとった原因を解明するとともに、これから予想されるビッグバンなど、将来に向けての可能性を探った報告書である。
目次
第1部 「メイド・イン・ロシア」―ロシアは何をつくったか(核兵器産業―強迫観念が生んだ核大国;宇宙産業―月に行けなかったソ連;兵器産業―演出されたソ連脅威論 ほか)
第2部 ロシアの産業で何が起きているのか(ソヴィエト・システムから市場経済へ―マクロからみたその特質と明暗;産業版ビッグバンは起こるか―生産の低落と産業構造の編成替え)