出版社内容情報
点時刻への疑念。存在の空無性。無脳論の可能性。
日常生活から出発する〈意味のシミュレーション〉の方法で、これまでの哲学や科学で論じられてきたさまざまな時間論、実在論を乗り越え、〈脳〉と〈意識〉をめぐる常識を根底から覆す、大森哲学の鋭い切っ先。解説=野家啓一
内容説明
点時刻への疑念。存在の空無性。無脳論の可能性。日常生活から出発する“意味のシミュレーション”の方法で、これまでの哲学や科学で論じられてきたさまざまな時間論、実在論を乗り越え、“脳”と“意識”をめぐる常識を根底から覆す、大森哲学の鋭い切っ先。
目次
1 線型時間の制作と点時刻
2 幾何学と運動―アキレス問題の解消
3 ゼノンの逆理と現代科学
4 キュビズムの意味論
5 存在の意味―「語り存在」
6 疑わしき存在
7 色即是空の実在論
8 無脳論の可能性
9 脳と意識の無関係
10 意識の虚構から「脳」の虚構へ
解説 存在の意味の制作(ポイエーシス)―大森壮蔵の「晩年様式集」(その2)(野家啓一)
著者等紹介
大森荘蔵[オオモリショウゾウ]
1921年岡山県生まれ。1944年に東京大学理学部物理学科を卒業、1949年に同大学文学部哲学科を卒業。東京大学教養学部教授、放送大学教授を歴任。独自の哲学を打ち立て、多くの後進に多大な影響を与えた。『時間と自我』にて第5回和辻哲郎文化賞受賞。1997年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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