出版社内容情報
テクノロジーは社会主義の夢を描けたのか?
1970年代前半、民主的選挙によって選ばれたチリの社会主義政権は、サイバネティックスを使って国家経済を統制するという未知の挑戦に乗り出した。チリ独自の社会主義という政治的な理想と、「サイバーシン計画」という技術革新とが交差するところに、いったい何が生じたのか。そして、米国の「見えざる封鎖」の中、どのような運命を辿ったのか。関係資料や関係者への聞き取り調査から、歴史の裏側で進行したテクノロジーの試みの全貌を引き出し、数々の学術賞を受賞した圧倒的労作。
内容説明
テクノロジーは社会主義の夢を描けたのか?1970年代前半、民主的選挙によって選ばれたチリの社会主義政権は、サイバネティックスを使って国家経済を統制するという未知の挑戦に乗り出した。チリ独自の社会主義という政治的な理想と、「サイバーシン計画」という技術革新とが交差するところに、いったい何が生じたのか。そして、米国の「見えざる封鎖」の中、どのような運命を辿ったのか。関係資料や関係者への聞き取り調査から、歴史の裏側で進行したテクノロジーの試みの全貌を引き出し、数々の学術賞を受賞した圧倒的労作。
目次
プロローグ
序章 政治的および技術的ヴィジョン
第1章 サイバネティックスと社会主義
第2章 生産闘争におけるサイバネティックス
第3章 ネットワークの設計
第4章 「自由機械」の構築
第5章 十月ストライキ
第6章 サイバーシンの公開
第7章 結論―技術・政治・歴史
エピローグ サイバーシンの遺産
付録一 チリ国営経済の構造
付録二 コンピュータとチリ国家に関する年表(一九二七~六四年)
著者等紹介
メディーナ,エデン[メディーナ,エデン] [Medina,Eden]
1976年生まれ。マサチューセッツ工科大学(MIT)でPh.D.を取得。現在、MIT科学技術社会論(STS)准教授。同校で「社会情報学」「コンピュータと情報倫理」「テクノロジーの地理学」などの講義科目を担当している。『サイバネティックスの革命家たち』は、技術史関連の優れた研究に贈られるエーデルスタイン賞、コンピューティングの歴史分野における傑出した仕事に贈られるコンピュータ歴史博物館賞、ラテンアメリカ研究協会「近代史と記憶」部門の書籍賞(佳作)を受賞している
大黒岳彦[ダイコクタケヒコ]
1961年香川県生まれ。哲学者。東京大学教養学部卒業。同大学院理学系研究科(科学史・科学基礎論専攻)博士課程単位取得退学。1992年日本放送協会(NHK)に入局、番組制作ディレクターを務める。退職後、東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学。専門は哲学、情報社会論。現在、明治大学情報コミュニケーション学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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