出版社内容情報
幕末から維新直後まで、動乱期に生きた人々の宿命と風俗
弘前藩の医官で儒者の渋江抽斎と、妻で稀代の才媛五百など渋江家の人々を始め、幕末から維新直後の動乱に翻弄される宿命にあった多彩、多様な人間像と、動乱期の時代風俗の興趣により魅了する森鴎外の史伝の代表作を読む。
内容説明
幕末から維新直後まで、動乱期に生きた人々の宿命と風俗。弘前藩の医官で儒者の渋江抽斎と、妻で稀代の才媛五百など渋江家の人々を始め、幕末から維新直後の動乱に翻弄される宿命にあった多彩、多様な人間像と、動乱期の時代風俗の興趣により魅了する森鴎外の史伝の代表作を読む。
著者等紹介
中村稔[ナカムラミノル]
1927年、埼玉県大宮生まれ。詩人・弁護士。一高・東大法学部卒。『世代』同人。1950年、書肆ユリイカから詩集『無言歌』を処女出版。詩集『鵜原抄』(高村光太郎賞)、『羽虫の飛ぶ風景』(読売文学賞)、『浮泛漂蕩』(藤村記念歴程賞)、『言葉について』(現代詩人賞)、伝記『束の間の幻影 銅版画家駒井哲郎の生涯』(読売文学賞)、自伝『私の昭和史』(朝日賞、毎日芸術賞、井上靖文化賞)ほか、著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うののささら
82
森鴎外の最高傑作といわれる渋江抽斎だが、誰だかわからない人の経歴を読んでも何がいいかピントこない。誰だかわからないが解説読んでみようと思った。物語は弘前藩の医師で評論家の渋江抽斎の生涯だけでなく、親近感のため子孫の行跡まであからかにし死後半世紀にわたり物語は続く。執念深いと思われるほど精緻な調査で粘液質な森鴎外の性格をよくあらわした作品。明治維新により社会的身分は変化した時代と風俗を多彩な人間を通して描き出す。時代風俗慣行などが現在と違うのが読み取れるのがこの作品のいいとこらしい。文豪はすごい。 2022/01/05
OHNO Hiroshi
6
渋江抽斎という森鴎外と同じ医者で武鑑も集めている江戸末期の人の評伝。そして渋江抽斎の四番目の妻 五百(いほ)。先妻が亡くなって自ら嫁いだ。裸同然で偽の使者を追い出した武勇伝、抽斎死後の渋江家の運営、後年英語も勉強したことなど。他の家族の話、等々、わかりやすく。2021/12/18
ちぃ。@るろうに剣心の影響でユーキャンさまの「日本史」講座受講しています。
2
地動説。2025/06/26
ご〜ちゃん
2
改めて森鷗外の『渋江抽斎』を読み返したいと思った。『渋江抽斎』の何が面白いのかと、二度読み返したことがあるが、多種多様な人物や時代背景などが森鷗外の目を通して描かれているところだと思った。 文章を丹念に読むというのは、この本のように読んでいくのだと感じた。2024/01/08
takao
1
ふむ2022/04/07