犬神家の戸籍―「血」と「家」の近代日本

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犬神家の戸籍―「血」と「家」の近代日本

  • 遠藤 正敬【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 青土社(2021/10発売)
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  • サイズ 46判/ページ数 240p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784791773954
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0036

出版社内容情報

横溝正史はなぜ金田一を“結婚させなかった”のか?
戦後の転換期、すなわち敗戦から民主化へと向かう新旧の制度や慣習が入り交じった時期に書かれた、横溝正史の代表作にして、探偵小説の金字塔『犬神家の一族』。犬神家の複雑かつ血みどろの人間模様を紙上で規定していたのは「戸籍」であった――。精緻な読解と検証を通じて、日本社会に根強く残る「血」や「家」の秩序と価値観を炙り出す、血に塗れた「紙の上の家族」の日本史。

内容説明

「家族」とはなにか?その系図に刻まれた欲望と不条理。飛び散る血しぶき、耳をつんざく悲鳴、謎かけを込めて“展示”される死体―。犬神家を襲った怪奇な連続殺人事件の背景には、何があったのか?物語を読み解くカギは「戸籍」にあり。血で血を洗った一族の系譜を丁寧にたどりながら、社会に根強く残る「血」や「家」の秩序と価値観を炙り出し、近代日本の陰に光をあてる。

目次

序章 『犬神家の一族』の読み方
第1章 「犬神家」とは誰か―家族制度の転換期の物語
第2章 犬神佐兵衛の戸籍―孤児に始まり、家長に終わる
第3章 婚外子がいっぱい―犬神佐兵衛の落とし種
第4章 養子たちの命運―日本ならではの「家族」
第5章 戦争と個人の戸籍―事件捜査を左右したものは
終章 犬神家の戸籍が映し出す「日本」―愛憎入り混じった一族の“系譜”

著者等紹介

遠藤正敬[エンドウマサタカ]
1972年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。博士(政治学)。専門は政治学、日本政治史。現在、早稲田大学台湾研究所非常勤次席研究員。宇都宮大学、埼玉県立大学、東邦大学等で非常勤講師。著書に、第39回サントリー学芸賞を受賞した『戸籍と無戸籍―「日本人」の輪郭』(人文書院)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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パトラッシュ

102
貧窮からのし上がって成功した男は、金と権力で多くの女に子を生ませるものなのか。堤康次郎には遠く及ばないが犬神佐兵衛も女を性欲処理の道具としか見ず、庶子ばかり儲けて愛情を与えなかったため死後に家族内で殺し合いを招いた。そんな状況を「血」を管理する戸籍から見てみると、犬神家の事件は戦後間もない時期に設定されたからこそ起こったのだとわかる。怪物のような人の欲望の前には、法など無力でしかない。他の作品でも男の身勝手が残した子が殺人動機になる例が多いが、自身が複雑な血統の家に生まれたことが書かせたのは明らかだろう。2021/12/12

yamatoshiuruhashi

60
「犬神家の一族」の問題の震源地を旧民法、明治民法、そして事件当時は既に施行されていたはずの現民法における規定から探る。新聞書評で目を引いたのだが、読友さんのレビューも参考に取り掛かる。「家」と「個人」、家族への愛情の有無、或いは現れ方、などから、財産の行方と人間関係を解き明かす。一読しただけでは分かりにく「犬神家の一族」をテレビ版、映画版などと比較し、家系図なども使用して理解しやすくなっている。結局は著者の民法観、家族観に行き着くのだが、その賛否は別にしても面白いアプローチである。興味深い一書。2022/02/14

たま

52
読友さんのご感想に惹かれて。『犬神家の一族』を例に明治民法と現行民法の戸籍の規定を比較し解説する。戸籍は日常生活と関わりが深いのに良く知らない人が多い-と慨嘆している私も半可通。なので知識や疑問が整理され、とても面白かった。孤児・棄て児の戸籍、婚外婚・婚外子の扱い、婿養子縁組と入夫婚姻など。戸籍制度は今や日本、中国、台湾だけ。相撲部屋はじめ日本社会にはお馴染み感のある婿養子システムも世界では珍しいようだ。家制度に拘る政治家が今なおいるのが私には不思議。犬神家の戸籍も複雑だが横溝正史の戸籍も複雑で驚いた。2022/04/28

kei-zu

47
言わずと知れた戦後ミステリの名作「犬神家の一族」。同書を題材として、戦前から戦後にかけての戸籍制度を解説するのが本書です。 著者は政治学を専門とする研究者であり、戸籍に関する著書も多い。「犬神家の一族」に対する思い入れは深いようで、市川崑による2度の映画化を含めた映像化作品にも触れ、また、作中の人物の心情を掘り下げる姿勢は楽しい。 戸籍制度の変遷とその背景となった社会情勢(敗戦を含め)の変化に関する説明は、制度の勉強になりますし、物語を深読みする楽しみにもつながります。 おすすめ。2022/08/10

あたびー

45
戸籍の専門家の先生が、複雑怪奇な犬神佐兵衛とその一族の関係を民法に照らし合わせながら解読した本です。なんか、原作小説以上に頭がクラクラする🤪私よりずっと若い先生なのに、書きっぷりが大時代なのは法律の文言に引きずられているのかな。ともかく横溝正史の実家の家庭が犬神家以上に複雑怪奇なのはわかりました。しかし松竹梅シスターズの母親である籍も入れない女性らを3人も囲っていたのに、それ以外の女性が青沼菊乃しかいなかったと言うのも不思議。死んだ私の祖父にはそれこそ何人いたのやら🤣庶子がいなくて幸いでした😅2023/06/27

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