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震災後文学論―あたらしい日本文学のために

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  • サイズ B6判/ページ数 241,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791767489
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0095

内容説明

3・11以降、すべてが変わってしまった。その現実を咀嚼しようと言葉にしつづけてきたのは文学であった。「震災」以後の文学は、いったい何を表現し、何を表現できなかったのか。「震災後文学」を読みつづけ、海外に紹介しつづけてきた気鋭の日本文学者による決意の書。

目次

第1章 物語ることの倫理
第2章 原発事故のイメージトレーニング
第3章 被曝社会を生き延びるための小説
第4章 短編小説アンソロジー
第5章 映像という物語を読む
第6章 外国語による震災の表現―フランスの場合
第7章 長編小説のほうへ

著者等紹介

木村朗子[キムラサエコ]
東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程修了。博士(学術)。現在、津田塾大学教授。専門は、言語態分析、日本古典文学、日本文化研究、女性学。『乳房はだれのものか』(新曜社)で第四回女性史学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ハチアカデミー

13
本書は「あの時何が起こったのか」を描くのではなく、「あの後何が起こったのか」をしっかりと掬いあげている。文芸誌や単行本として発表された国内の文学作品だけでなく、ドキュメンタリー映画や商業映画、海外で日本語ではない形で発表された作品などへの言及があり、「震災後」という主題を真摯に見つめている。震災から二年間の間に、どれだけの作品が作られたのか、または作られなかったのか、作家は何を描き、また描けなかったのか、それらをドキュメンタリーとして記録した一冊である。一つの見取り図を提出したことは大いに評価すべき。2013/11/29

shishi

7
[A]東日本大震災から二年半以上が経過した現時点における日本の文学の反応をまとめている。エンタメから純文学、映画まで幅広く大震災へのリアクションを集めるだけでなく、海外(主にフランス)における大震災への関心も交えて論じる。日本国内における政治忌避ともいえる文学的態度、さらに拡げて言うならば、日本人における(国際基準から見れば異常ともいえる)政治忌避的な態度を著者は批判する。本書における政治問題とは主に原発の問題だが、様々な視座から何もかもを語ることのできる自由のある作品にこそ文学的強度は宿ると著者は言う。2014/01/20

♨️

4
2013年までの日本で作家たちが震災を描くということにどう向き合ったのか、作品を追うとともにその作品の動向を描くことで、日本の、日本の文学の体質を描きつつ、「震災後文学」(「単に震災後に書かれた文学を意味しない。書くことの困難のなかで書かれた作品」!)の系譜を論じている。それぞれの章の連関はうまく掴めなかったけど、著者自身の出来事も時に重ねながら、「あとがき」に書かれた経験や震災について語らなければならないという作家たちの使命感への共鳴とともに書かれている熱意を感じた2021/01/31

ひばり

3
刊行してスグ読まなかったことを後悔!図書館ので読んだけど購入していろんな人にオススメしたい!たくさん読みたくなるし、たくさん考えたくなるし、行動したくなる。日本語が読める海外の友人にもオススメしたい。2015/11/04

林克也

3
著者である木村さんの、日本人に対する怒り、自分自身への恥ずかしさ、哀しさ、そして焦りに満ちた本。「私は、いまここで諦めるわけにはいかない。まだなんとかこの日本に望みをつなぐために文学の力に期待する」という宣言と、とりました。 日本人を変えることは、(近い将来STAP細胞が使え、歪んだ利己主義を初期化できたとしても)とてもとてもとても困難だとは思いますが、地球が未来永劫存続し、そこに暮らす生き物たちが生き続けるために、今、この世界に生きている者として私(達)にも責任があると思います。木村さんに賛同します。 2014/02/02

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