内容説明
本書は、2600年前にブッダが提唱したマインドフルネスとACTを縦横無尽に結びつけながら、あなたの「自分探し」のお供をします。今、ここで生きる自分に気づき、そこから行動を起きしていくために。
目次
第1章 一人になったキクちゃん(ピーちゃんがいない;半年ほどしてようやく元気に ほか)
第2章 言葉が自分を作り上げる(「現実」を作り上げる言葉の力;派生的関係の自動的学習 ほか)
第3章 自分探しとマインドフルネス(マインドフルネスの隆盛;カウンセリングの大きな流れ ほか)
第4章 言葉の世界全体から距離を取る(「マインドレス」な心と思考の働き;見ただけ、聞いただけにとどまる ほか)
著者等紹介
熊野宏昭[クマノヒロアキ]
1960年、石川県生まれ。1985年、東京大学医学部卒。東京心療内科医員、東北大学大学院医学系研究科人間行動学分野助手、東京大学大学院医学系研究科ストレス防御・心身医学(東京大学心療内科)助教授(2007年4月より准教授)などを経て、2009年4月から、早稲田大学人間科学学術院教授。心身症、摂食障害、パニック障害などを対象に、薬物療法や面接治療に加え、リラクセーション、認知行動療法、アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)、マインドフルネスなどの行動医学的技法を積極的に用いている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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駿ばぱ
3
ACTをもっと知りたいと思い読み返しました。 面白かったのは人間は言葉を介することで未経験のことを疑似体験できてしまう、そしてそれによっていろいろと苦しんでしまう動物だということでした。 苦しいから逃れようとしたり、コントロールのではなく、そのままアクセプト(受容)すること。 ここのところ、心身ともに苦しかったこともあり、徐々に実感できるようになってきたような気もします。 コミットメントについては、もうちょっと勉強しないといかんかな。2015/09/22
くろほ
3
自分・自己には主に3つの捉え方―①概念・キャラとしての自己、②「今、ここ」の体験を意味するプロセスとしての自己、③生命としての自分・場としての自己―がある。マインドフルネスによって、プロセスとしての自己を強化(心の腕立て伏せ)し、場としての自己を自覚できるようになっていく。そして自分が生きていこうとする「方向」(ACTにおける価値)を探ることができるようになる。本格的(?)な心理学系の本は初めて読んだけど読みやすかった。2600年前のブッダの思想が今科学的に証明されているってなんか凄いな。2012/09/08
まろすけ
2
瞑想をロジカルに分析し心理療法として応用した感じ。たぶん森田療法も似たようなこと言ってんだろうけど、森田療法のほうが感覚的な分腑に落ちるな僕の場合は。⚪「概念としての自己」はアイデンティティに通じる重要な側面を持つが行動の柔軟さを失わせる危険がある。一方、今ここの体験を意味する「プロセスとしての自己(非連続な私の物語)」は、環境に振り回される危険がある。その危険に陥らないためにマインドフルネスや、生命の流れとしての自分、の働きが重要。⚪言葉世界から距離を取り、言葉によって作り上げた世界の脱構築を図る。等。2017/04/23
灯香里
2
マインドフルネスについて知りたい方は3章、4章を読むのがお薦めです。全体的に論文のような本でした。言葉を覚えて初めて記憶が始まって、言葉で妄想したり空想したりすることができる。だから頭がこんがらがるのかなと。作家が自殺するのはこれが原因なのかなと思いました。反対に言葉によってコントロールもできるのかなと思いました。2017/02/25
駿ばぱ
2
読んでいるうちに集中力が切れた。正直難しかった。しかし、ACTを概念に少しでもふれることで、ストレスレスな日常を送れるような気がする。もっと勉強してみたい。2012/02/07