内容説明
ドイツ、フランス、イギリス、アメリカ、日本―国や時代によって異なる意味を持つ「文化」概念。その変遷をたどり、ネイション、伝統、民族概念との関係を一望のもとに照らしだすことで、近代という時代の特質をあぶりだす。
目次
「文化」概念と近代
文化概念の発生と展開
ドイツの「文化」対フランスの「文明」
ネイションとナショナリズム
イギリスの文化概念
伝統の創造
アメリカの文化概念
文化相対主義
人種と民族
カルチュラル・スタディーズ
日本の文化概念
著者等紹介
鏡味治也[カガミハルヤ]
1954年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程中退。現在、金沢大学人間科学系教授、博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぷほは
2
教科書を意図して作られているので、一度でも『文化と社会』とか『想像の共同体』を読んだことのある人は別に読む必要はない。残念なのは、日本における「文化」という用語について、明治20年代の日本主義者たちを特定しながら、彼らの語法に関しては全然触れてくれない点。西川『国境の越え方』を読むしかないのだろうが、アレも日本に関しては別にそんなに突っ込んだ話はなかったような気がする。あと「文化国家」はおそらく戦後でなく、戦前・戦中から本格的に使用されていたはず。この辺はまぁ自分で調べろということなのだろうけれども。2021/07/04
MIRACLE
0
文化人類学者が、「文化」とその関連語の成立と展開をとおして、その多様な意味内容について紹介した本。しかし、内容は、言葉の表面的な意味について、なぞっているだけである。また、筆者にも、これといった主張があるわけでもない。商品説明カタログのような本で、じゃまにはならないが、たいして役に立つものではない。そもそも、思想は、人間の行動や実践をとおして、生まれてくるものだ。したがって、「文化」という概念についても、人びとの生活のあり方から探求するという手法が、必要だろう。柳父章『文化』(三省堂)で、十分だと思う。2014/09/02
たけぞう
0
「文化」って何だろう、という問題を考えるためのとっかかりに最適かと。随所に割注で出典が示されている2012/05/14
のの
0
文化人類学からの文化の部分はある気がする。著者も言っているように、原典にあたるためのざっくりとした案内。 個人的にはWW2で文化というものが利用されたと思うので、明治の導入期同様に戦争前後の文化の扱いをもっと知りたい。2010/12/13
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