内容説明
新資料を駆使したテキスト・クリティークを軸に、柳田国男の故意と思える沈黙や韜晦に挑むとともに、「ムラ」「イエ」「山人」「常民」など、柳田民俗学の根本概念にひそむ問題点を抉出する。
目次
柳田国男のふるさと
柳田国男の第二のふるさとと帰省先
柳田国男の“日本的なるもの”にひそむ西洋の影
柳田国男の描く“ムラ”―景観主義批判
『遠野物語』と『グリムの昔話』―伝承記録における書き替えの問題
遠野の河童
柳田国男の樺太旅行
柳田国男の台湾旅行
島崎藤村と柳田国男―自然主義文学をめぐって
折口信夫と柳田国男―山人の問題をめぐって
有賀喜左衛門と柳田国男―“イエ”との葛藤をめぐって
日本における農商工鼎立併進論の系譜―横井時敬・新渡戸稲造・松崎蔵之助・柳田国男・河上肇