内容説明
この紙葉をめくる者、すべての希望を捨てよ。現代アメリカ文学の最先端にして最高峰。
著者等紹介
ダニエレブスキー,マーク・Z.[ダニエレブスキー,マークZ.][Danielewski,Mark Z.]
1966年生まれ
嶋田陽一[シマダヨウイチ]
1956年、東京生まれ。静岡大学人文学部卒。翻訳家
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感想・レビュー
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遥かなる想い
213
「これはあんた向きじゃない」で始まる 本書はまるで読者をあざ笑うかのように 身勝手に進む。レイアウトも一貫性がなく 読んでいて 落ち着かない.. 著者の意図は何なのだろうか? 「ネイヴィッドソン記録」への考察と膨大な 脚注が延々と続くが、正直苦痛でしか なかった..壮大な文学の実験に 無理やり付き合わされた、そんな感覚しか 残らない読書だった。2017/03/06
ケイ
154
実験的小説や奇書に分類されると思う。単行本の1.2倍の大きさなのは、一番細かい字が本当に小さくなり読めくなるから。老人ザンバノが書き残した『ネイヴィッドソン記録』に挟まれるジョニーの独白。これに加え本文への注釈も凄まじく、すべてを読み通すことは到底無理。時には1頁に一文字のことも、びっしりと細かい字であらゆる方向に文字が書かれている部分もある。律儀に本を縦に、横に、斜めに、時には鏡に映してこの厚い本に取り組んだ。表紙や本文で『家』がちがう色。さてなぜ違う?カルトかホラーか、さては真面目なSFか?2017/05/01
KAZOO
153
ミステリーとおもうのですが様々な要素が入っている一種の奇書ですね。縦横にしたり、細かい字で書いてあるものが縦線で消されているのもあったりで読んだらいいのか判断がつきかねる部分があったりで筋が忘れてしまいます。注釈も多く、白紙がページのほとんどを占めてしまう部分もあったりで、机上でじっくり読む本なのでしょう。図書館で借りてきて読みましたが再度借りないとよさがわかりません。2016/01/27
扉のこちら側
106
2016年1050冊め。【239/G1000】またとんでもない本を読んでしまった。読むのに90度180度と本を回転させるのはもちろん、鏡に写して読まなければいけないページがあった。G1000ではSFに分類されているしミステリという人もいるけれど、私にとってはホラー。外から見るのと中に入るのとでは広さが違う、無限の構造を持つ紙葉の家と、関わる一家の記録ビデオ、それを解説する記録と、更にそれを解説する書物と…と一体何重構造なのだ。(続2016/12/09
藤月はな(灯れ松明の火)
99
おそらく、翻訳者の苦労度No.1。起こっていることを文体でも表現しているため、最も読みにくく、註、付録など、全てを関連付けようとしても訳が分からない。正直、出版されている中で二度と読みたくない不可解本。カメラマン一家が安住の地として購入した家。しかし、その家は人を引きつけて呑み込むモノだった。その威力はその家の不可解さを証明しようとする潜入映像や断片的なメモ、音声レコード、関係者へのインタビューに魅入られた人々の閉じていた事もこじ開けて魅入らせ、破滅させる。POV形式としか思えない潜入映像部分に酔い放し。2017/09/18
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