内容説明
将軍の娘、反体制活動家、娼婦―誰が私を産んだのか?彼女の生い立ちには、暗い時代の波にほんろうされた人々の、絶望と希望の物語が隠されていた。20年後に知った「出生の秘密」とは。
著者等紹介
オソリオ,エルサ[オソリオ,エルサ][Osorio,Elsa]
1952年、アルゼンチン、ブエノスアイレス生まれ。スペイン、マドリード在住。バルセロナ大学文学部教授。小説と記号論の講義を受け持つ。映画やテレビのシナリオライター、新聞のコラムニストとしても活躍。彼女の作品はアルゼンチンで、国民文学賞、映画シナリオ優秀賞、報道論評賞などを受賞している
横山朋子[ヨコヤマトモコ]
1959年生まれ。東京外国語大学卒。TIME Inc.勤務を経て、現在翻訳業に従事。雑誌記事などの翻訳を手がけている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よきし
6
1970年代のアルゼンチン軍政時代の徹底的な暴力の時代、少しでも左寄りだと疑われたが最後、誘拐され拷問されて殺された時代に生まれたルスをめぐる物語。冒頭、スペインで真実の父と再会するところから始まるが、彼女が調べ、探り当てた真実はあまりに辛く、苦しいアルゼンチンの闇の時代を象徴する出来事でもあった。当時、攫われた活動家の母から生まれた多くの子供達が軍や警察関係者の子どもとして育てられた。失われた孫を探す祖母たちと、自分のルーツに疑問を覚え探しだした子供たちの物語は壮絶で、涙せずにいられない。2012/07/21
-
- 和書
- グレード別最重要漢文公式