内容説明
「和食」は本当に健康食か?ダイエットは糖質か脂質か?栄養健康情報はどこでゆがむか?「根拠に基づく栄養学」がその問いに答えます。
目次
第1章 こんなにややこしい?!あぶらと脂質異常症の関係
第2章 こんなに大問題?!食塩と高血圧
第3章 不思議がいっぱい!肥満問題
第4章 呑んべえ必読!お酒、なにをどれくらい、どのように飲むか
第5章 究極の健康食?地中海食から糖尿病管理まで
第6章 あなた自身が試される!「栄養健康リテラシー」の時代
著者等紹介
佐々木敏[ササキサトシ]
東京大学大学院医学系研究科社会予防疫学分野教授。女子栄養大学客員教授。京都大学工学部、大阪大学医学部卒業後、大阪大学大学院・ルーベン大学大学院博士課程修了。医師、医学博士。国立がんセンター研究所支所、国立健康・栄養研究所などを経て現職。いち早く「EBN」を提唱し、日本人が健康を維持するために摂取すべき栄養素とその量を示したガイドライン「食事摂取基準」(厚生労働省)策定に貢献。日本の栄養疫学研究において、中心的役割を担い続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
るんるん
32
交絡因子が未調整なままの統計、マスコミの報道、知性のないライター、研究費の出所である企業や国家の思惑、論文抽出専門家の揺らぎ、利益相反の存在、情報がゆがんでいくありさまが本書で述べられていました。健康情報を耳に入れた際、脳内にコピペすることすべてを鵜呑みにすることは避けたい。よい専門家ばかりでない。知識を選びとる責任は自分にある。せめて健康に関することは正しく知りたい。日本人のカリウムの摂取と調理法、中性脂肪と炭水化物等興味深かった。「根拠に基づく栄養学」を基本にした論理は説得力あり今後の日常に役立てたい2015/10/04
Koning
27
栄養学に疫学を組み合わせた栄養疫学。要はエビデンスを積み重ねてなんだけど、それを見てみれば銀の弾丸的な○×を食べればなんたら病が治るとか、痩せられるとかそういうのが嘘っぱちでありえないだろ?ってのがよく分かるという本。脂肪と脂質異常の関係から始まって、食塩と高血圧と続き肥満問題では年齢層で長生きするBMIは違ってるよとかビールだけ止めても痛風は防げないんですが、とか続く。和食も確かに良さそうだねーって話の後、PubMedで、論文検索してみる実例があって、その辺やったことない人にはいいお手本担ってると思う2015/11/16
チャー
14
食と健康について多くの研究データから考察した本。メディアで紹介される様々な情報について、多数の研究事例から実際に影響があるのかどうかを丁寧に読み解き解説されている。信頼できる研究成果や複数の論文を元に検証しており大変興味深い。手に取ったときは難解な専門書の印象であったが、読んでみると専門用語がわかりやすく記されており理解しやすかった。食物繊維は穀物と一緒に摂るとよいようだ。甘くないものが必ずしも血糖値を上げないわけではない。妄信せずに利用したいという言葉は印象的。受け取り側のリテラシーを上げることが大切。2024/08/10
kitten
10
図書館本。エビデンスに基づいた栄養学の話。コレステロールや食塩の話など、基本的なところを復習できてよかった。 新規の物質や研究に話題があつまると、それまでの基本が忘れ去られてしまう傾向があるので注意したい。健康のためには、1に禁煙、2に減塩。3に運動、4にお酒。この順番で大事。実際には減塩が思ったほど進んでいない可能性があるらしい。2020/02/09
舟江
9
著者の講演を聞く機会があり、手に取ってみた。「揚げ物の揚げ油では、コレステロールは上がらないと考えてよい。」など、読書前の食品のイメージが崩れ去った。講演会では「塩と高血圧」の部分だけだったが、そのほか「油と脂質異常の関係」「肥満問題」「酒」「健康食」など、耳学問ではなく。一度読んでみることをお薦めする。2018/10/01
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