内容説明
ハーン=小泉八雲が見つめつづけたものを、ウィリアム・グリフィス、イザベラ・バード、キャサリン・サンソム、さらには柳田國男、柳宗悦、芥川龍之介、林芙美子など幾多の視線が交錯するなかに浮かび上がらせる。
目次
1 ハーンとグリフィス―日本の“心”を求めて(ラフカディオ・ハーンが見た寺と神社の風景;神社の姿―“A Living God”とケルトの風;グリフィスからハーンへ―“In the Heart of Japan”;棚田の風景―「蛍姫の求道者」と「雷の子」)
2 それぞれのハーン―日本近代の思考の形(「人形の墓」―ハーンと日本の近代;『遠野物語』―柳田國男とハーン;一大正知識人の朝鮮人像―柳宗悦の民藝運動とハーン;「南京の基督」―芥川龍之介とハーン;「雪女」の“伝承”をめぐって―口碑と文学作品)
3 “異国”を見つめる(夕暮れのアイヌ、伊勢の夕闇―イザベラ・バードの『日本奥地紀行』;赤裸々の人間讃歌―キャサリン・サンソムの東京時代;熱帯の幻影―林芙美子『浮雲』)
著者等紹介
牧野陽子[マキノヨウコ]
1953年、東京生まれ。成城大学名誉教授。東京大学教養学部教養学科イギリス科卒業。同大学大学院人文科学研究科比較文学比較文化専攻博士課程修了。博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Masahiko Takeda
2
外国人から見た日本人の宗教観が人により大きく異なることが良く分かる。また我々日本人が普通に感じている生活が得手して外国人からすると奇妙に映ることが非常によく分かる。いかにラフカディオハーンが日本を好印象に捉えていたのかが理解出来る一冊。 2021/01/04
茨木あき
1
ずっとラフカディオ・ハーンに沿った一冊というよりは、ハーンと同じく近代を生きた他の人々も詳しく紹介されていました。 宗教に対して考え方がライトだったり、悲しい時でも微笑む癖があるなど、何となく現代の日本人とも共通すると思うところが、ハーンやイザベラ・バードなど外国人の目を通して特徴的に写っていたというのが面白かったです。2023/01/29
-
- 和書
- ロマン・ロランの風景